
町内唯一の給油所 継承 「地元古座川のために」生花店営む須川さん、和歌山県古座川
後継者がおらず廃業の危機にあった和歌山県古座川町高池にある町内唯一のガソリンスタンドの継承者が現れた。スタンドの隣で生花店を営む須川陽介さん(42)が「地元古座川のために」と引き継ぐことになった。
このガソリンスタンドは、1972年8月創業の「ENEOS 古座川サービス・ステーション」。景気の低迷や少子高齢化などによる後継者不足の影響で、近隣の同業者が立て続けに廃業する中、東豊石油店(井筒眞一郎代表)が、町内唯一のガソリンスタンドとして、地域住民の日々の生活を支えていた。
井筒代表は、会社役員や親族に後継者がいなかったことから、かつて古座川町観光協会の会長を務め、積極的に地域振興に取り組んでいた須川さんに事業の継承を打診。須川さんは「私を含め、町民の多くが、このガソリンスタンドを使っているので、なくなると困る人が多いと思った」と継承を決心した。
事業継承を進める上で、県事業継承・引継ぎ支援センター(和歌山市)の支援を受け、株式取得などに必要な融資を受けるための認定を取得。資金は、日本政策金融公庫(東京都)から支援を受けた。
ガソリンスタンドで働いていた正社員2人とパート1人の従業員はそのまま雇用。須川さんを含め、4人で対応している。営業時間は午前7時〜午後6時で、日曜は午前7時〜正午。1月1、2日以外は無休。
須川さんによると、串本、古座川の両町内にあるガソリンスタンドは計5店。古座川町がなくなると、最も近いガソリンスタンドは古座川を渡った対岸にある串本町西向のJR古座駅近くの店になる。
古座川町は、高池町、明神村、小川村、三尾川村、七川村の1町4村が合併して1956(昭和31)年に誕生。面積は約294平方キロで、約96%が森林。合併当時の人口は約1万人だったが、今月1日現在の人口は2181人(1292世帯)と大きく減少し、過疎化、高齢化が進んでいる。
須川さんは「今後、町の人口はますます減り、事業の継続は厳しくなっていく可能性が高いので、事業の新たな展開も考えていきたい」と語った。
