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中国で「民族の団結」を損なう行為を処罰する「民族団結進歩促進法」が7月1日に施行されたことを受け、チベット、ウイグル、南モンゴル、香港の出身者らでつくる団体の代表が同日、東京都内で記者会見し、「中国共産党による同化政策を正当化するための法律だ」と抗議する声明を発表した。「国境を越えた弾圧に法的根拠を与え、民主主義社会の言論・表現の自由を脅かす」と強い懸念を示した。
「自ら口を閉ざすという本当の恐怖」
同法は、中国国民に「国家の統一と全国各民族の団結を守る義務」があると規定し、標準中国語の全面普及を推進すると明記。さらに、海外の組織や個人が「民族団結を損なう行為」を行った場合には「法律上の責任を追及する」と定めている。
日本ウイグル協会のレテプ・アフメット会長は、「独自の文化やアイデンティティーを捨て、中国人になり切って生きる以外に選択肢はないと突き付ける内容だ。中国人になることを選ばないだけで罪に問われかねない」と批判した。
法文に盛り込まれた「民族の団結に不利な言動」についても、「定義が極めて曖昧で、当局の胸三寸でいかようにも運用できる」と指摘。「親たちは恐怖から家庭で民族の言葉を教えることすら諦めざるを得なくなる。自ら口を閉ざす日常こそ、この法律が狙う本当の恐怖だ」と語った。
さらに、「今日ここで発信する私たちこそが、この法律によって犯罪者として扱われる最初の事例になる可能性すらある。逃げ場はないが、絶望的な状況でも声を上げ続けるしかない」と訴えた。
「中華民族は政治概念」
南モンゴルクリルタイのオルホノド・ダイチン共同代表は、「『中華民族』という概念は清朝末期に作られた政治的スローガンに過ぎない」と述べ、「海外の民族団体や人権団体、文化団体の活動まで違法とされる可能性がある。だからこそ自由社会が連帯しなければならない」と呼び掛けた。
チベットハウス・ジャパンのアリヤ・ギャルポ代表は、「中国共産党政権はこれまでも弾圧や拘束を行ってきたが、それを正当化するために法律を作った。国際社会は強く抗議し、廃止を求めてほしい」と訴えた。
レイディー・リバティー香港のアリック・リー代表理事は、2014年に香港大学が実施した帰属意識に関する世論調査で約6割が「香港人であり、中国人ではない」と回答したことを紹介。「香港は100年以上にわたる英国統治の中で、民主主義や法の支配、言論の自由を重視する価値観を育んできた。現在も多くの香港人は、自らを香港人であって中国人ではないと考えている」と強調した。
筆者:奥原慎平(産経新聞)
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