
新品種を試食する参加者=福井市寮町の県農業試験場で
県内の主力野菜ミディトマトの新品種「福井TM1号」の開発に、県農業試験場が成功した。課題とされてきた病気への耐性を備え、既存種より甘く、皮が薄くて食べやすいのが特徴。さらなるブランド化に向けて本格生産を目指し、生産コストなどを確かめる試験栽培を進める。(平田志苑)
大玉トマトとミニトマトの中間ほどのミディトマトは、昨年のJA福井県の販売額で約2億1500万円。野菜品目で白ネギに次いで2位だった。
県農業試験場によると、既存種は多湿下でヘタや葉にカビの斑点が出る「葉かび病」に弱く、商品価値や収量に影響している。
県は生産拡大につなげようと、病害を克服する新品種の開発に着手。2018年に交配を始め、研究協力する若狭湾エネルギー研究センターが開発した技術を用いて、抗体のある遺伝子を選抜。県内4例目となるミディトマトの新品種を作った。24年から試験栽培を続け、今年3月に農林水産省に品種登録を出願した。「葉かび病」に加え、葉にモザイク模様が出るウイルスへの耐性も持つ。
糖度の平均値は既存品種より1度ほど高い7・5と甘いのが特徴で、高温の影響も受けにくい。成長の早い段階から糖度が高くなり、早期に収穫すれば日持ちが良くなるという。長期保存できる種で繁殖し、親株の管理が不要なため、容易な生産管理を実現した。
今年は同試験場を含めて県内7カ所で150株弱を栽培。必要な肥料の量や収穫期間を観察しながら、栽培方法の確立を目指す。市場に出回る時期は未定。
24日に発表会があり、JAなどの関係者が試食して味を確かめた。駒野雅保試験場長は「生産者が抱える課題の解決に期待できる品種。県内現場で広く使ってほしい」と話した。
