大阪歴史博物館(大阪市中央区)で、NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」が7月8日から開催されます。
2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、「彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた豊臣秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く物語です。本展覧会ではドラマと連動し、これまであまり光の当たることがなかった秀長の人となり、兄・秀吉の天下一統を支えた数々の功績を貴重な歴史資料から読み解いていきます。兄弟が仕えた織田信長、臣従させた大大名・徳川家康、家臣として重用した黒田官兵衛、藤堂高虎など名だたる武将たち、文化面のブレーンとなった千利休、豊臣家の最期を見届けた家族の高台院(秀吉の正妻)らゆかりの品々が揃います。
「内々の儀は利休、公儀の事は秀長」という秀長の言葉からは、秀吉の補佐役としての秀長の強い自負が感じられ、兄弟が強い絆と揺るぎない信頼関係で結ばれていたことがうかがえます。卓越した内政・外交手腕と誰からも愛されるキャラクターで群雄割拠の時代を乗り切る秀長の姿は、現代の私たちにとっても、示唆に富むものです。武と智をそなえ、策と対話で道を切り拓いた最強のNo.2秀長の生き様を、とくとご覧あれ!
NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」
会場:大阪歴史博物館 6階 特別展示室(大阪府大阪市中央区大手前4-1-32)
会期:2026年7月8日(水)~8月31日(月)
[前期展示:7/8~8/3、後期展示:8/5~31]
※全期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います
開館時間:午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日 ※ただし、8月11日(火・祝)と翌12日(水)は開館
観覧料:大人 2,000円、高大生 1,000円
※中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
※大阪市内在住の65歳以上の方も有料
※高校生・大学生の方は学生証を要提示
アクセス:
Osaka Metro谷町線・中央線「谷町四丁目」駅9号出口すぐ
大阪シティバス「馬場町」バス停下車すぐ
詳細は、展覧会公式サイトまたは大阪歴史博物館公式サイトまで。
本展のみどころ
1. 兄を支えた名ネゴシエーター、秀長の知られざる素顔に迫る
本展覧会の主人公である秀長の肖像画をはじめ、温厚で実務に長けた人柄がにじみ出る書状、秀長所用と唯一特定できる茶入など、稀少な秀長関連の文化財が揃います。
※会場ごとに、展示は異なります
豊臣秀長公像 寛永7年(1630) 奈良・壷阪寺蔵 [通期展示]
2. 天下一統のサクセスストーリー、兄弟の絆をひもとく資料が満載
中国攻めから小田原攻め、天下取りの象徴・聚楽第、城主としての国づくり、そして病床の日々・・・。数々の合戦図屏風や貴重な歴史文書を通し、戦国の世を変えた豊臣兄弟の足跡をたどります。
羽柴秀吉書置 美濃守宛 天正11年(1583)3月晦日 滋賀・長浜城歴史博物館蔵 [7月8日~27日展示]
3. 秀長を支えた家臣団に注目
秀長を支えたのは、藤堂高虎、桑山重晴・元晴、横浜一庵、小堀正次ら有能な家臣団でした。大阪会場では、桑山元晴の愛刀であった国宝「桑山保昌」をはじめ、彼らの武功を象徴する遺品や主君の事績を伝える文書から、豊臣政権の実像に迫ります。
紅糸胸白威二枚胴具足 江戸時代 17世紀 大阪城天守閣蔵 [通期展示]
4. 華麗な能装束に茶の湯の逸品、豊臣家ゆかりの工芸品も
豊臣兄弟が愛した能楽と茶の湯、高台院の華麗な調度など、桃山から江戸初期にかけて花開いた文化を紹介します。「名物 南泉一文字」をはじめ、徳川美術館が誇る刀剣コレクションも必見です。
浅葱地入子菱花丸紋散模様厚板 桃山時代 16~17世紀 東京・国立能楽堂蔵 [通期展示]
主な展示作品を紹介
<私が兄、秀吉です。>
愛知県指定文化財 豊臣秀吉像(部分) 南化玄興賛 慶長5年(1600)賛 愛知・妙興寺蔵 [後期展示]秀吉が亡くなって3年目に描かれたもので、表装は秀吉の着衣の裂で仕立てられたと伝わります。
<私が弟、秀長です。>
豊臣秀長像 文禄2年(1593) 京都・大光院蔵 [後期展示]秀長の菩提寺である大光院に伝来したもので、秀長の姿を今に伝える貴重な肖像画です。大阪展では、同じく秀長の菩提寺である春岳院(奈良)に伝わった肖像画や壷阪寺(奈良)に伝わる木像がお目見えします。
<天下一統を目指し、兄弟で出陣。>
賤ヶ岳合戦図屏風 江戸時代 長野・佐久市教育委員会蔵 [下の左隻は前期展示、上の右隻は後期展示]信長亡き後、柴田勝家と秀吉による跡目争いの戦いの様子で、「秀吉公」や瓢箪の馬印、秀長の陣営を指す「羽柴美濃守守之」が描かれています。
<兄から弟へのメッセージ>
羽柴秀吉書置 美濃守宛 天正11年(1583)3月晦日 滋賀・長浜城歴史博物館蔵 [7月8日~27日展示]賤ヶ岳合戦の際に秀吉から秀長に送られた書状です。前線の指揮を執る秀長に対して、秀吉が細やかな指示を与えています。
<瓦の豊臣兄弟>
左:郡山城跡出土瓦 16世紀 奈良・大和郡山市蔵 [通期展示] 右:大坂城跡出土瓦 16世紀 大阪市教育委員会蔵 [通期展示]秀吉の大坂城と秀長の郡山城から、同じ型で作られたとみられる瓦が出土しました。兄弟が瓦を生産する道具や仕組みを共有していたことが推測できます。
<数少ない秀長の所用品>
肩衝茶入 銘 薬師院 中国・南宋~元時代 13~14世紀 兵庫・香雪美術館蔵 [通期展示]秀長所用と分かる唯一の茶入で、天正15年(1587)正月に大和郡山で行われた茶会では、秀長がこの茶入を用いたことが知られています。
<秀長家臣・藤堂高虎が所用。>
紅糸胸白威二枚胴具足 江戸時代 17世紀 大阪城天守閣蔵 [通期展示]秀長家臣・藤堂高虎が所用。高虎が大坂冬の陣で着用した具足で、胸板や兜の吹返には、藤堂家の蔦紋があしらわれています。
<秀吉から秀頼、そして家康へ>
重要文化財 刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字 鎌倉時代 13世紀 愛知・徳川美術館蔵 [前期展示]覇気のある姿に絢爛華麗な重花丁子の刃文を焼いた、天下人を魅了した名物です。
<桃山ファッション>
浅葱地入子菱花丸紋散模様厚板 桃山時代 16~17世紀 東京・国立能楽堂蔵 [通期展示]厚板は能装束の一つで、中国から舶載された錦や唐織など厚手の織物で仕立てられたことからの呼び名です。色とりどりの文様が織り出され、桃山時代特有の仕立てが見られます。
<秀長家臣、小堀遠州。のちに茶の大家へ。>
竹茶杓 歌銘 面影 江戸時代 17世紀 愛知・徳川美術館蔵 [通期展示]のちに茶の大家へ。大名茶人として知られた小堀遠州(正一)の作。和歌に因んで名付ける歌銘は、小堀遠州が創始したとされています。遠州は、王朝時代の幽玄と中世の佗びとを融合させた新たな美意識である「綺麗さび」を確立しました。
<一国に値する茶入>
唐物茄子茶入 付藻茄子 大名物 中国・南宋~元時代 13~14世紀 東京・静嘉堂文庫美術館蔵 [8月19日~31日展示]松永久秀が織田信長に献上したことで大和一国の領地を安堵されたとも伝わっています。秀吉・家康と、時の天下人が所持しました。
<描かれた天下人・秀吉の城>
聚楽第図屏風 桃山時代 16世紀 東京・三井記念美術館蔵 [前期展示]聚楽第築城から間もない頃に制作されたと考えられます。聚楽第は秀吉の天下を示す城であり、その様子を伝える貴重な作品です。
<慕われる秀長、永遠に>
豊臣秀長公像 寛永7年(1630) 奈良・壷阪寺蔵 [通期展示]
像高99cmの等身大の坐像で、秀長に仕えた大和高取城主・本多因幡守俊政によって壷阪寺に寄進されました。
2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」と深く連動した本展は、秀吉の天下一統を陰で支え続けた最強の補佐役、豊臣秀長の実像に迫る極めて貴重な機会です。これまでスポットライトが当たりにくかった秀長の人となりを伝える肖像画や書状をはじめ、彼を支えた有能な家臣団の遺品、豊臣兄弟が愛した華やかな桃山文化の工芸品など、一堂に会する149件の歴史資料は見応え十分です。優れた外交・内政手腕を発揮し、対話と策で激動の戦国期を切り拓いた秀長の生き様は、現代を生きる私たちにも多くのメッセージを与えてくれるでしょう。強い絆で結ばれた豊臣兄弟の足跡をたどりに、ぜひ大阪歴史博物館へ足を運んでみてください。(美術展ナビ)
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