県高校総体 バレーボール男子 全員でつかんだ勝利 大分工業が2年ぶりの優勝 【大分県】

大分県高校総体 バレーボール
6月1日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ
男子決勝
大分工業2(25―22、25―18)0大分南

 県高校総体バレーボール男子決勝。大分工業は大分南をストレートで下し、2年ぶりに全国への切符をつかみ取った。昨年から幾度となく苦杯をなめてきた相手だった。前評判でも優勢と見られていたのは大分南。しかし、その壁を乗り越えるために積み重ねてきた努力が、この日のコートで結実した。

 第1セットから大分工業は攻勢に出た。セッターの本田唯人(2年)がサイドとミドルを巧みに使い分け、相手ブロックを揺さぶる。絶対的エースの今村望夢(3年)が豪快に打ち抜けば、攻撃陣も次々と呼応した。もちろん大分南も簡単には崩れない。豊富な経験と高い技術で何度も追い上げを見せた。しかし、この日の大分工業は違った。追いつかれても慌てず、一本ずつ冷静に得点を積み重ねる。ベンチからも力強い声が飛び続けた。終盤の競り合いを制し、25―22で第1セットを先取した。

 第2セットも主導権は譲らない。大分工業は2セット目からセッター金子己太朗(3年)を投入。配球に変化を加え、大分南のブロック網をかいくぐった。特に効果的だったのがサイド攻撃である。第1セットで機能したミドル攻撃に相手のマークが集中すると、今度はサイドへ展開。対角の井野本勇斗(2年)も要所で得点を重ね、大分南の守備を崩していった。「1セット目はミドルが刺さったが、相手にマークされたのでサイドを使った。それがハマった」。試合後、金子は安堵の表情で振り返った。

勢いを加速させた金子

 攻撃力が光った試合だったが、その土台にあったのは2人のセッターの存在である。本田がリズムをつくり、金子が流れを加速させる。異なる持ち味を持つ2人が攻撃陣の力を最大限に引き出した。

 歓喜の陰には、地道な準備があった。江崎裕之監督は大会前、「今のままでは勝てない」と厳しい言葉を口にしていた。だからこそ練習では常にプレッシャーのかかる状況を設定。苦しい場面でも力を発揮できるよう鍛えてきた。

 さらに大分南対策も徹底した。過去の試合映像を分析し、控え選手が相手の動きを再現。チーム全員で何度も確認を重ねながら決勝の舞台へ備えた。「これまでも勝てる力はあったが、本番でそれを出し切る力が欠けていた。プレッシャーの中で練習してきたこと、そして3年生の存在が大きかった。コートに立つ選手だけでなく、支える選手たちも本当によく頑張った」。江崎監督の言葉には、選手たちへの深い信頼と感謝がにじんでいた。

全国高校総体ではベスト4を目指す

 今村は「これだけ練習したんだから絶対に勝って、笑って全国へ行こうと話していた。控えメンバーも含め、みんなでつかんだ勝利」と胸を張る。井野本も「監督や保護者が喜んでくれたことが本当にうれしかった」と笑顔を見せた。

 今回の勝利は決してコート上の選手だけのものではない。監督、控え選手、応援席、保護者。一つでも欠ければ、結果は違っていたかもしれない。

 喜びを爆発させた大分工業だが、今大会はまだ通過点に過ぎない。目標は全国ベスト4。高さで勝負するチームではない。サーブレシーブからの展開力、粘り強いラリー、組織力を武器に戦う集団である。県王者として得た自信を胸に、大分工業はさらに高みを目指す。 (甲斐理恵)

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