【5月27日 CNS】「999元(約2万3239円)使ったけど、すごく価値があったと思う」。北京市の大型スーパーの前は多くの人でにぎわっていた。「00後(2000年代生まれ)」の宮煒桓(Gong Weihuan)さんは買い物袋を手に店を出ると、笑みを浮かべていた。彼は昨年、北京で働き始め、最近新しいプロジェクトを任された。そこで、自分に新しい服を買うことにしたという。「自分を少し大事にしたい」と話す。衣食住に関わる日々の消費は、一見するとごく普通のことに見えるが、実際には暮らしと消費全体に深く関わっている。素朴な一言には、消費の温度が表れている。

国家統計局のデータによると、第1四半期の社会消費品小売総額は12兆7695億元(約297兆479億円)で、前年同期比2.4%増となり、前年第4四半期より0.7ポイント加速した。国家発展改革委員会の王昌林(Wang Changlin)副主任は4月17日、国務院新聞弁公室の記者会見で、消費市場は安定しながら改善し、サービス消費の需要が加速していると評価した。言葉は率直だが、その意味は大きい。

世界に目を向けると、多くの地域が戦火に包まれ、基本的な民生すら保障できていない。ある国では相手に損害を与える一方で自国も大きな打撃を受け、物価は高止まりし、経済成長率も下方修正されている。また別の国では、石油の買い占めや交通規制が始まり、トイレットペーパーやレジ袋までもが入手しにくい品となっている。こうした背景の中で見れば、この成果は決して容易に得られたものではない。詳しく見ると、特に目を引く成長分野がいくつもある。

まず、サービス消費だ。第1四半期のサービス小売額は前年同期比5.5%増となった。文化・スポーツ・レジャー関連サービス、旅行相談・レンタル関連サービスの小売額はいずれも2桁増となり、通信・情報サービス関連の小売額も10%を超える伸びを示した。消費者は今、商品を買うだけでなく、体験をより重視するようになっている。黒竜江省(Heilongjiang)、吉林省(Jilin)、遼寧省(Liaoning)、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)などでは、春節(旧正月、Lunar New Year)期間中、氷雪経済に関連するサービスの売上高が前年同期比62.4%増となった。

もう一つは、新型消費だ。今では、ネットショッピングやライブコマースでの注文は日常的な消費行動になっている。第1四半期のオンライン商品・サービス小売額は前年同期比8%増で、社会消費品小売総額の伸びを大きく上回った。デジタル・スマート消費は、新たなトレンドをけん引している。AIによる出前注文、ロボット配膳、ドローン配送は、テクノロジーの便利さを実感させる。無人店舗や倉庫型会員制店舗など、新しい小売業態の小売額も2桁増を維持した。

商品消費にも明るい動きがある。特に生活必需品と一部のグレードアップ型商品が目立つ。第1四半期、一定規模以上の小売業者における穀物・食用油・食品類、衣類・靴・帽子・繊維製品類、通信機器類、金銀・宝飾品類の小売額は、それぞれ前年同期比10.0%、9.3%、20.8%、12.6%増となった。

さまざまな不確実性が重なる環境の中で、なぜ中国の消費は安定を保てているのか。分かりやすく言えば、国がさまざまな措置を講じ、人びとが消費でき、消費に踏み出せ、消費したいと思える環境づくりに努めてきたからだ。第1四半期、全国住民の1人当たり可処分所得は1万2782元(約29万7338円)で、名目で前年同期比4.9%増、物価要因を除いた実質では4.0%増となった。財布に余裕があれば、消費にも勢いが出る。第1四半期、全国住民の1人当たり消費支出は7955元(約18万5051円)で、前年同期比名目3.6%増、物価要因を除いた実質では2.6%増となった。

さらに、充実した連休も消費を押し上げた。今年の春節連休は9日間に及び、国内旅行者数と旅行消費額はいずれも過去最高を更新した。春節映画シーズンの上映回数も過去最多となった。さらに深く見ると、消費環境の継続的な改善がある。これは市場環境の改善が続いていることによるものだ。例えば、国家市場監督管理総局は最近、30を超える部門と連携し、国民が最も関心を寄せる消費上の課題を解決するため、約150項目の具体策を打ち出した。

政策面からの力強い支えも大きい。財政部は、消費財の買い替え支援に超長期特別国債2500億元(約5兆8310億円)を充て、さらに財政・金融が連携して内需を促す1000億元(約2兆3262億円)の特別資金を設けるなど、より多くの「本物の資金」を消費促進に投入している。効果は非常に大きかった。第1四半期、消費財の買い替えによる販売額は4300億元(約10兆27億円)を超え、延べ6000万人以上が恩恵を受けた。

さらに一段深く見ると、消費市場の安定の背後には、強力な戦略的支えがある。2026年の政府活動報告は、「強大な国内市場の建設に力を入れる」ことを重点任務の第一に掲げ、消費を大きく押し上げる方針を明確に示した。「第15次5か年計画」綱要では、「住民消費率の明らかな向上」が経済・社会発展の主要目標の一つに位置づけられている。

中国経済の「主エンジン」として、消費の戦略的位置づけはますます明確になっている。これは内外の環境変化を踏まえた戦略的な配置であると同時に、極めて現実的な支えもある。中国には14億人を超える人口があり、今後十数年で中所得層は8億人を超える見通しで、市場の潜在力には大きな期待が持てる。王昌林副主任が述べたように、現在、中国の超大規模市場としての優位性はまだ十分に発揮されておらず、消費拡大、とりわけサービス消費には大きな潜在力がある。

「第15次5か年計画」が始まる節目に、中国経済の主エンジンが力強く動き出していることは、人びとに自信と落ち着きを与えている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News

 

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