沖縄県・尖閣諸島の魚釣島周辺を航行する中国海警局の「海警2302」(2024年4月撮影、写真:共同通信社)
2026年5月14~15日に行われた米中首脳会談では、台湾問題が改めて米中対立の核心として浮かび上がったが、日本にとって見落としてはならないのは、台湾海峡の緊張が台湾本島だけにとどまらないという点である。
その影響が最も分かりやすい形で表れているのが東シナ海であり、なかでも尖閣諸島周辺海域は、その動きが集中して表れている海域である。
米中首脳会談で握手するトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(2026年5月14日、北京の人民大会堂、写真:ロイター=共同通信社)
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いつの間にか日常化する尖閣周辺の危機
近年、中国は台湾周辺だけでなく、東シナ海全体で海洋活動を拡大させている。中でも尖閣諸島周辺では、中国海警局の船舶(海警船)がほぼ常時活動する状態が続いている。
海上保安庁によると、2026年5月21日時点で、中国海警船は尖閣諸島周辺の接続水域を188日連続で航行している。機関砲を搭載した海警船が確認されたとの報道もあり、日本側は巡視船による警戒監視を続けている。
さらに領海侵入も継続している。今年に入ってから確認された領海侵入はすでに9日間に達し、直近では5月7日に4隻が日本の領海へ侵入した。2025年には、領海侵入は27日確認され、接続水域での確認日数は357日に達している。中国側の船舶が年間を通じて、ほぼ常時、尖閣周辺に展開していた計算になる。
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島周辺を航行する海上保安庁の巡視船(手前)と中国海警局の船(2024年4月撮影、写真:共同通信社)
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ここで注目すべきなのは、緊張そのものよりも、この状況が少しずつ日常化している点である。
以前であれば異例と受け止められた活動が、現在では「いつもの動き」として扱われ始めている。尖閣周辺で起きているのは、突然の危機というより、時間をかけて環境が変化していく現象に近い。表面上は平時の延長に見えても、実際には「どこまでを通常の活動とみなすのか」という感覚そのものが、ゆっくり変化している。
