東京駅に隣接する丸の内トラストタワー本館の最上階11フロアに位置するラグジュアリーホテル「シャングリ・ラ 東京」。2026年4月末、28階のイタリアンレストラン「ピャチェーレ」にて、山梨の人気ワイナリー「キスヴィン ワイナリー(Kisvin Winery)」との、一夜限りの特別なワインディナーが開催されました。

イベント当日「ピャチェーレ」エントランスには、キスヴィン ワイナリーの演出も
キスヴィン ワイナリーとシャングリ・ラ 東京の縁は、実は2014年から続くもの。ワイナリー設立間もない頃から交流を重ねてきたそうで、長年の信頼関係があるからこそ実現したのが今回のコラボレーションなのだそう。

一夜限りで開催されたワインディナー
キスヴィン ワイナリーは、2013年に山梨県甲州市塩山で誕生したワイナリー。その名に込められた「ブドウにキスを!」という言葉には、一房ひとふさに愛情を注ぎ、丁寧に育てたぶどうから、上質なワインを生み出したいという思いが込められているそうです。
「小さなワイナリーから世界へ」という信念のもと、科学的なアプローチと職人の感性を融合させながら、土地の個性を映し出すワイン造りを追求。その品質は国内外で高く評価され、星付きレストランや国際線ファーストクラスでも採用されています。
当日は、ぶどう栽培を手がける荻原康弘氏と、醸造家の斎藤まゆ氏が丹精込めて仕上げたワインが並びました。透明感のある味わいと繊細な余韻を持つワインは、春から初夏へと移ろうこの季節にぴったり。
また、今回のディナーでテーマとなっていたのは「地産地消」。ワイナリーがある山梨のテロワールをより深く感じられるよう、料理とのペアリングにも趣向が凝らされていました。そんな特別な一夜の模様を、参加したPrecious.jpライターが詳しくレポートします。
山梨のワイナリーを訪れたような、温かなウェルカムタイム

シェフが目の前で取り分けてくれる、ウェルカムタパス
まず迎えてくれたのは、この日のために特別に設えられたタパスエリア。まるで山梨のワイナリーを訪れたかのような、どこかアットホームな空気が漂います。カウンターには、彩り豊かなアミューズがずらり。シェフ自らサーブしてくれるスタイルも、このイベントならではの贅沢です。

キャビアやうになど、華やかな味わいが詰まったアミューズ
卵の殻を使った器に入っていたのは、濃厚なウニのプリン。そのほかにも、キャビアやいくら、まぐろなどを使った小さな前菜が並び、ひと口ごとに華やかな余韻が広がります。しっとりとした国産生ハムも印象的でした。

「キスヴィン 甲州 2024」

夕景を望みながら楽しむひととき
乾杯に用意されていたのは、スパークリングワインの「キスヴィン 甲州 2024」。グラスに注がれると、きめ細かな泡とともに、柑橘を思わせる爽やかな香りがふわりと立ち上ります。
口に含むと、甲州らしい繊細な旨味と伸びやかな酸味が広がり、すっきりとした飲み口の中にも奥行きのある味わい。後味にはほんのりとしたほろ苦さが重なり、次のひと口を誘います。28階の窓辺に広がる夕景を眺めながら味わう一杯は、この日の特別感をより一層高めてくれるものでした。

「ピャチェーレ」店内
その後は客席へ。天井高のある「ピャチェーレ」の空間は、エレガントでありながら落ち着いた雰囲気です。

コース前のひと皿

この日のコースとワインのラインナップ
席に着くと、朝届いたという新鮮なホタテとトマトを使ったひと皿が登場。なめらかなムースに重ねられたジュレが涼やかで、スパークリングワインとの相性も抜群。これから始まるコースへの期待が、自然と高まる幕開けとなりました。
山梨の旬を映した料理とキスヴィン ワインの見事なペアリング

「パテ ド カンパーニュ」
スタートは、「パテ ド カンパーニュ」。豚バラ肉をベースに国産の鶏レバーを加え、ピスタチオの食感をアクセントにしたひと品です。
上にはくるみのペーストと、山梨県産のいちごを添えて。いちごはセミドライにすることで、甘みと酸味をより凝縮させているそうです。赤ワインソースのコク、中央にあしらわれた山梨県産のルッコラセルバチコのほのかな苦味、さらにチーズとハーブをまとったグリッシーニが加わり、さまざまな味わいと食感が楽しめます。

「キスヴィン シラー ロゼ 2024」

繊細なロゼ色にうっとり
これに合わせるのは、「キスヴィン シラー ロゼ 2024」。オレンジがかった深みのあるロゼ色が美しく、カシスやブルーベリーを思わせる果実の香りに、ほのかなスパイス感が重なります。華やかさの中に凛とした芯があり、パテのコクやいちごの酸味を優しく引き立てていました。

「鱒のグリル クレソンと山菜のリゾット」と「キスヴィン ブラン 2025」
2品目は、山梨県が開発したブランド魚「富士の介」のグリル。キングサーモンとニジマスを掛け合わせた魚で、70度のオーブンでじっくり火を入れ、しっとりとしたミディアムレアに仕上げられていました。
添えられていたのは、舞茸や山菜、クレソン、きゅうりなどで炊き上げた鮮やかな緑のリゾット。みずみずしい香りとほろ苦さが、富士の介の旨味を引き立てます。
ペアリングは、「キスヴィン ブラン 2025」。洋梨を思わせるふくよかな香りに、ライチやハーブのニュアンス。口に含むと、ジューシーな果実味と生き生きとした酸味が広がり、豊かな味わいでありながら、すっきりとした後味が印象的です。
シェフによると、この白ワインはしっかりとした骨格を持つため、サーモンやホタテなど海の幸では味が重なりすぎてしまうとのこと。そこで、あえて川魚の「富士の介」を選び、山菜の苦味やバルサミコの酸味、グアンチャーレの塩気を重ねることで、全体のバランスを整えたそうです。

ほろほろ鶏を使ったメニュー
続いて登場したのは、石川県から取り寄せたという希少なほろほろ鶏。しっとりと焼き上げた肉に、ほうれん草や菊芋を添え、自家製コンソメと牛ひき肉を合わせた奥深いソースが寄り添います。

「キスヴィン ピノノワール 2023」
これに合わせるのは、「キスヴィン ピノノワール 2023」。透明感があり、口当たりは驚くほどなめらかです。

手のぬくもりで広がる香り
キスヴィン ワイナリー代表の荻原康弘氏によると、日本では赤ワインを冷やしすぎることが多いのだとか。適温の目安は20度ほどで、グラスを両手で包み込むように温めることで、香りがふわりと立ち上り、味わいもいっそうまろやかになるそうです。
また、荻原氏はペアリングについて、「私たち作り手は、まずワイン単体でとことんおいしいものになるよう目指しています。ペアリングが素晴らしいものになるかどうかは、シェフの力によるところが大きい」と話していました。
作り手と料理人、それぞれのこだわりが重なって生まれた、この日だけのマリアージュ。コースが進むたびに、新たな感動が待っていました。
ワインとひとつになる、華やかなデザート

「クレームダンジュ さくらんぼ 山梨スパークリング」
最後は、グラス仕立てのクレームダンジュ。シェフの遊び心から、ワイングラスで提供されたという印象的なデザートです。
グラスの底には自家製のジュレ、その上に白ワインのゼリー、みずみずしいさくらんぼ、ふんわりとしたクレームダンジュ、さらに桜のジェラートを重ねた、春らしいひと品。
そして仕上げとして注がれたのは、ウェルカムタイムにも味わったスパークリングワイン「キスヴィン 甲州 2024」。ワインの爽やかな酸味と繊細な泡がデザートと溶け合い、ひとつの完成された作品のような味わいに。最後まで、この日のテーマであるワインと料理のマリアージュを存分に楽しませてくれました。

食後に楽しむ小菓子と紅茶
コースの後には、紅茶とともに小菓子も登場。鎌倉のチョコレート専門店の生チョコレート、栃木県産いちごを使った自家製タルト、自家製マドレーヌが並びます。
甘い余韻に包まれながら、特別なディナーをゆったりと振り返るひととき。心まで満たされるような、幸福感あふれる締めくくりとなりました。
今回は一夜限りの開催となりましたが、ホテルの方によると、こうした生産者の思いや土地の魅力に触れられるイベントを、今後も開催していきたいとのこと。
都会の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いたラグジュアリー空間が広がる「シャングリ・ラ 東京」。今後の特別な企画にも期待しつつ、今回の会場となったイタリアンレストラン「ピャチェーレ」で、優雅なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
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WRITING : 篠原亜由美
EDIT : 小林麻美
