2025年2月、西オーストラリアのスターリング海軍基地に停泊した米海軍のバージニア級攻撃型原潜「ミネソタ」。オーストラリアはAUKUSの枠組みに基づき、米国および英国の技術供与を受けて原潜を導入する計画だが…(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
[ロンドン発]2015~18年にオーストラリア首相を務めたマルコム・ターンブル氏が5月11日、有力シンクタンクの英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)で米中大国間競争の時代を生き抜くミドルパワーの戦略について持論を語った。
より高い独立性、より高い自立性を確立する
イラン戦争で延期されていた米中首脳会談が5月14~15日、北京で開かれる。米大統領の中国訪問は約9年ぶり。前回は17年11月のトランプ氏自身の訪中だ。ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー価格高騰と米中貿易戦争の脆弱な休戦、台湾問題に世界の注目が集まる。
オーストラリアのマルコム・ターンブル元首相(筆者がスクリーンショット)
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「中国と米国のどちらを選ぶ」という究極の問いについて、ターンブル氏は「それは選択の問題ではない。選ぶ必要もない。オーストラリアにとって最大の貿易相手は中国、最大の安全保障パートナーは米国だ。両国と良好な関係を保ちたい。うまく差配していくほかない」と語る。
「核心的なメッセージはより高い独立性、より高い自立性を確立することに尽きる。エネルギーにも防衛にも貿易にも同じことが言える。長年われわれが慣れ親しんできた米国が戻ってくると当てにすることはできない。ドナルド・トランプ米大統領自身がそう言っている」
