
「世界本の日•著作権の日」に メキシコ人作家で脚本家 フアン•ビジョーロ 来日講演。インスティトゥト•セルバンテス東京で_
4月23日はユネスコが制定した「世界本の日・著作権の日」で、それを記念して、インスティトゥト・セルバンテス東京(千代田区)は、現代メキシコ文学を代表する作家フアン・ビジョーロを招いて講演会を行った。
ビジョーロは小説「証人」(2004年)でスペインの権威ある文学賞であるエラルデ賞を受賞。同作は山辺弦によって邦訳され23年に水声社から出版された。同作が描くのは、71年間にわたってメキシコで一党支配を続けてきた制度的革命党(PRI)が2000年の選挙で、国民行動党(PAN)に敗北して起きた歴史的転換。そこからさらに、同作は「メキシコとは」「メキシコ革命とは」という根源的な問いかけを行っている。
ビジョーロは、そうした創作体験について詳しく語った。前日の22日、同氏は早稲田大学で、自作脚本「雨についての講演」を独り芝居の形で上演した。
「証人」を手にする左から山辺氏、ビジョーロ氏、インスティトゥト・セルバンテス東京のビクトル・アンドレスコ館長
「世界本の日・著作権の日」に関しては、イタリアの作家・記号学者のウンベルト・エーコの言葉を引用しながら、「欧州で一番重要なことば」は「翻訳」だと述べた。「翻訳」がなければ「私の作品も日本の皆さんに届かない」とも。
また、人間と本との不思議な関係にも言及した。ペルー生まれのノーベル文学賞作家マリオ・バルガス・リョサが、若いころ、アレクサンドル・デュマのダルタニャン物語3部作の最後の結末に不満で、自分の考えによって書き換えたことを、リョサの書いた文章で知ったとのエピソードを紹介。
「もともとの結末がどうしても知りたくて、3部作の第3部を長年探したが見つけられなかった」が、「忘れた頃に、メキシコ市の地下鉄の通路にあった古書の店で出会えた」と明かした。ビジョーロの講演会場は本を愛する人々で埋まり、次から次に興味深いエピソードが出て来るたびにどよめきの声が沸き起こっていた。
WEB:https://tokio.cervantes.es/jp/default.shtm
