
東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)経済安全保障インテリジェンス分野(ESIL)は、以下の公開ブックトークを開催いたします。
アイク・フライマン氏によるブックトーク
『台湾の防衛:中国との戦争を防ぐための戦略』
【イベント概要】
台湾は、米中間の「不安定な平和」が試される場所であり、その均衡がいつ崩れてもおかしくない地政学的な最前線にあります。中国共産党(北京)にとって「統一」は避けて通れない必然の課題です。長年、米国の軍事力がこの地域の平和と安定を支えてきましたが、その優位性は今、揺らぎつつあります。北京は米国の戦略的な隙を突き、一発の銃弾を放つこともなく台湾を屈服させるべく、外交的孤立化や軍事的威圧、多方面からの圧力を強めています。
もし抑止が失敗すれば、その帰結は破滅的です。世界経済は混乱を極め、米国の同盟関係は瓦解し、中国が地域支配を通じて国際秩序を根本から塗り替えることを許すことになるでしょう。
新著『台湾の防衛(The Defense of Taiwan)』において、アイク・フライマンは、中国との戦争を抑止し、平和を維持するための初となる「統合戦略」を提示します。未翻訳の中国語資料、最先端の軍事・経済分析、そして緻密な歴史研究に基づき、米国の抑止戦略は、従来の通常戦力や相互確証破壊(MAD)といった枠組みを超えたものであるべきだと論じます。
米国は同盟国と足並みをそろえ、技術・経済両面における大胆なステイトクラフト(国家運営の術)を打ち出すとともに、万が一抑止が失敗した場合に備えた国益保護の計画を完遂しなければなりません。フライマンは、中国が取り得るあらゆる戦略的選択肢を検討した上で、「それらはすべて抑止可能である」と断言します。ただし、そのためには軍事力、経済的レバレッジ、技術的リーダーシップ、そして外交的影響力を、戦争回避という単一の目的に向けて一貫した計画へと統合する必要があります。
本書は単なる台湾情勢の解説書ではなく、米中関係の長期的安定を確保するための「大戦略(グランド・ストラテジー)」を提示する一冊です。『台湾の防衛』は、現代で最も危険な地政学的課題を読み解くための、決定版のガイドとなるでしょう。
【スピーカー】
アイク・フライマン(Eyck Freymann)
スタンフォード大学フーバー研究所フェロー。米海軍大学校中国海事研究所の非常勤研究フェローも務める。著書に『民主主義の兵器廠:厳しい選択の時代における技術、産業、抑止』(Hoover, 2025年)、『一帯一路:中国の力が世界と出会うとき』(Harvard, 2021年)がある。その論考は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『フォーリン・アフェアーズ』、『エコノミスト』、『War on the Rocks』、『The China Quarterly』、『アトランティック』など、数多くの媒体に掲載されている。以前はハーバード大学およびコロンビア大学でフェローを務めた。オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバードの各大学より、歴史学および中国研究の分野で計4つの学位を取得している。
【モデレーター】
井形彬(東京大学先端科学技術研究センター特任講師)
【備考】
● 当日は危険物の持ち込みや会場内での飲食等が制限されます。ご来場された参加者の皆様におかれましては運営委員の指示に従っていただきます。ご了承ください。
● 当日は受付でご本人確認をいたします。必ず写真付きの身分証(学生証,運転免許証など)をご持参のうえお越しください。セキュリティの関係上、ご本人様確認ができない場合にはご入場をお断りさせていただく可能性があります。
使用言語:英語
