
4月21日、北京で開催された自変量機器人の新モデル発表会で、ゴミ拾いを披露するロボット。REUTERS/Eduardo Baptista
[北京 21日 ロイター] – 人型ロボットがゆっくりとゴミを拾い、花束を整える――。ロボットがいずれ煩雑な家事を担えるようになる未来を見据え、北京で21日に実施されたイベントの一幕だ。
疾走やバク転、ダンスができるロボットを披露してきた業界の標準からすれば、中国のスタートアップ企業、自変量機器人(Xスクエア・ロボット)が北京で主催したこのイベントの内容は地味だった。
しかし、背景には大きな潮流の変化がある。Xスクエアなどの中国企業は、ロボットがステージ上で何を披露できるかではなく、予測不能な日常生活環境にどのような価値を提供できるかを示そうとしているのだ。
同社のワン・チエン最高経営責任者(CEO)はイベントで、「ハードウエアは概ね整った。しかし頭脳がまだ追いついていない」と話した。
<単純な家事はまだ難関>
ロボット企業がプログラミング済みのデモンストレーションから実世界での活用へと移行する中で、ハードウエアと頭脳のギャップはますます顕著になっている。
中国の人型ロボットはハーフマラソンで人間のトップアスリートに勝てる実績を出す一方、散らかった部屋を片付けたり、食洗機に食器を入れたり、洗濯物をたたんだりするなど、普通の人間にとって単純に見える作業はいまだに難関だ。
ワンCEOは「マラソンロボットはなぜ同じ壁に直面しないのか。それは、主に重力加速度が一定している環境で動けるからだ」と言う。「しかし、われわれが手で物を扱う場合には、わずか0.1ミリずれるだけで作業全体が失敗することもある」
ランニングなどの反復動作は、比較的単純なデータセットで訓練するだけで済む。しかし、同じ状況が二度と再現されない家事をさばくには、人間のように重力や光を感知できる、はるかに高度な人工知能(AI)の「脳」が必要となる。
深センに拠点を置くXスクエアは、そうしたAIモデル「ウォールB」を開発したと発表した。これは100世帯以上から収集したデータで学習させたモデルで、性能向上の鍵は、ペットや散らかった物など「ノイズ」の多い環境にさらすことだという。
このモデルは5月末に同社の掃除ロボットに搭載予定だ。同社は先月、中国のサービスプラットフォーム「58ドットコム」と提携し、プロの清掃員と清掃ロボット1台をセットで利用できるサービスを深センで開始した。3時間のシフトで料金は149元(21.90ドル)。同社によると、これまでに50以上の世帯が利用した。
<家事市場の潜在規模>
利用した消費者からは主に「動作が遅く、ぎこちない」という反応が寄せられたが、ワン氏は、実際の家庭に入らないと単純な作業をこなす能力は向上しないと言う。
「スリッパをキッチンに置いたり、テーブルを拭いている途中で『考える』ために止まったりすることもある」とワン氏。ロボットが故障したり作業を完了できなかったりした場合には、常に社員が遠隔作業で介入すると説明した。
ワン氏は、ひとたび技術が成熟しロボットが信頼できる家事ヘルパーになれば、潜在的な市場規模は計り知れないと指摘。「家事は国内総生産(GDP)の約20%を占めている。従って理論上、GDPの20%規模の市場だ」と語った。
Xスクエアは創業からわずか3年足らず。これまで数回の資金調達ラウンドで、小米科技(シャオミ)やアリババなど、AIに重点投資している中国テック大手から数十億元を調達した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

