オーストラリアの政府機関eSafety Commissioner(ネット安全コミッショナー)は4月22日、児童に対する性犯罪や、過激派グループによる若者向けプロパガンダの拡散にオンラインゲームが利用されているとし、一部大手メーカーに対し透明性の開示命令を出したと発表した。

eSafety Commissionerは、オンライン上の安全な環境整備の促進を担うオーストラリアの政府機関だ。オンラインサービス事業者に対する規制業務などをおこなっている。

*eSafety CommissionerのFacebookでの投稿

今回の発表にてeSafety Commissionerは、『Roblox』『マインクラフト』『フォートナイト』およびSteamを名指しし、これらの事業者に対し法的拘束力のある透明性開示命令を出したことを明らかにした。先述したように、オンラインゲームが児童に対する性犯罪や、過激派グループによる若者向けプロパガンダの拡散に利用されているとして、これらの問題に対しどのように特定・防止・対応しているのかを説明するよう求める内容である。

同機関は、児童誘拐や性的恐喝、若者の過激化などにおいては、オンラインゲームを含むプラットフォームが、児童と加害者の最初の接点となる場合があると指摘。その後加害者が、プライベートなメッセージングサービスへと児童を誘導するケースがよく見られるという。オーストラリアでは、8〜17歳の子どもの約9割がオンラインゲームをプレイした経験があるとし、搾取の標的になっているとした。

同機関はさらに、『Roblox』『マインクラフト』『フォートナイト』およびSteamのすべてにおいて、児童虐待やテロリスト、暴力的な過激主義をテーマにしたゲームがプレイされているとも言及。『Roblox』『マインクラフト』『フォートナイト』は、ユーザー生成コンテンツを共有できる点が特徴で、そうしたテーマのゲームも作られているという指摘だろう。

その上で、これらの事業者は、自社サービスが虐待や暴力、過激化などの入口とならないように、具体的な対策を講じる必要があるとコメント。そして特に子どもたちが、危害を受ける心配なく、これらのプラットフォームにて提供される恩恵を享受できるようにすることが最終的な目標だとした。

近年では、オンラインサービス上での違法・有害コンテンツから子どもを保護するための法律が制定されるなど、各国で取り組みが進められている。これを受けてオンラインゲームを運営するメーカーも対応をおこなっており、そのひとつとしてユーザーの年齢確認の厳格化が一部で実施(関連記事)。オーストラリアにおいては、たとえば『Roblox』でも昨年12月から導入されている。

今回オーストラリアのeSafety Commissionerは、オンラインゲームが被害者と加害者の接点になっているとし、各メーカーに対策などについて確認したかたちだ。なお同国では透明性開示命令への対応は義務であり、事業者が対応しなかった場合には、1日あたり最大82万5000オーストラリアドル(約9400万円)の罰金などが課される。