2026年4月17日 午前7時30分
【論説】高校野球春の福井県大会が18日開幕する。注目されるのは県大会初採用となる指名打者(DH)制だ。福井新聞社が行った出場校アンケートでは多くの指導者が賛意を示す半面、部員数が多い学校が有利になるとの声もあった。近年の猛暑から7イニング制も検討されるなど、高校野球は大きな過渡期にある。これらの「改革」がどう影響していくか、注視したい。
DH制は先月のセンバツ甲子園で一足早く採用された。1回戦は6校がDHを使わなかったが、2回戦以降は全校が活用。打撃戦が増えるとも思われたが、全31試合の総得点は231。1試合平均7・45点で前年の総得点285、1試合平均9・19点を下回った。
理由の一つに、DH制採用の動機にもなった投手の負担軽減が挙げられよう。打席に立たない分、より投球に集中できたとの見方ができる。打撃に特化した選手の育成がまだ十分ではないこともある。DHの打順は6番を最多に7番、8番の順だった。
甲子園は地方で一定の結果を残したチームが競い合う場だ。新ルールにも大きな問題はなかったように見えた。しかし、県レベルの大会でどのような影響を及ぼすかは未知数だ。
福井新聞社のアンケートでは、DH制の課題について、半数以上が「選手層の薄いチームにとってDH枠を埋める選手が不足する」と答えた。部員の数で有利、不利が分かれることへの懸念が示された形だ。
春の福井県大会には28校(うち2校は合同チーム)が参加するが、合同チームを含め8チームがベンチ入り可能な20人を満たしていない。部員が最も多い学校と最少の学校とでは50人以上の開きがある。
日本高野連が設置した「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」では暑さ対策だけでなく、部員数の減少や偏りも議論されたようだ。報告には、7イニングにより少人数の学校や連合チームでも熱中症のリスクを低減できるとある。
ただ、アンケートでは20人を満たさない8チーム9校のうち、5校が7イニング制に「どちらかといえば」を含めて反対と回答。4校は「どちらともいえない」と答え、賛成はなかった。部員数の多い学校からも「打席数や出番の減少から高校野球離れ、部員数減少が急加速する」と懸念する声があった。
部員数の減少を巡っては少子化や地域の過疎化だけでなく、全国のいわゆる強豪校に選手が集中しているためとの指摘もある。今回の改革の効果を検証しつつ、球児が希望を持って競い合える環境づくりに向けて議論を深めていきたい。
