戦後画壇を代表する日本画家・平山郁夫(1930~2009年)に焦点を当てた特別展「平山郁夫 せとうちの風景を描く」(四国新聞社共催)が25日から、香川県坂出市沙弥島の東山魁夷せとうち美術館で開かれる。仏教が伝来したシルクロードなど「文化の道」を描き続けた平山。今展では生涯の原風景とした瀬戸内海を描いた作品に着目し、創作の源流をたどる。

 同館では今年度、広島県瀬戸田町(現尾道市)生口島生まれの平山や坂出市櫃石島出身の祖父を持つ魁夷ら、瀬戸内海をルーツにもつ作家の展覧を予定している。第1弾の今展は、平山が日本各所を多く描いた1990年代の本画や素描を中心に、約30点を5章立てで紹介する。
 このうち第1章で取り上げる「瀬戸田町 私の実家のある通り」(99年、平山郁夫美術館蔵)は、素描シリーズ「しまなみ海道五十三次」の一つ。連なる民家のすぐ向こうには穏やかな海が広がり、幼少期の平山が日常的に見ていた瀬戸田町の風景を追体験できる。

 平山が終戦後に通った中学校の緞帳(どんちょう)の元絵となった「燦(さん)・瀬戸内(輝く瀬戸内海)」(97年、平山郁夫シルクロード美術館蔵)は第2章で展示。縦43・0センチ×横100・0センチの大画面に、温かみのある黄色を基調に瀬戸内海の多島美を表現している。手前に小さく描き込まれた沿岸の民家が日光にきらめく様からは、人々の営みに向ける平山の愛が読み取れる。このほか、金刀比羅宮や屋島など香川の名所を取材した「讃岐路」シリーズの素描や本画も展示。
 平山作品に加え、魁夷が海面に突き出た岩を描いた素描など5点も並ぶ。
 会期は6月14日まで。入場料は一般800円ほか。問い合わせは東山魁夷せとうち美術館、電話0877-44-1333。

関連イベント

■夕焼けコンサート 5月23日午後6時から/同館1階ラウンジ/千円/三豊市出身のピアニスト稲沢朋華/インターネットによる事前申込制(詳細はホームページで知らせる)
■スペシャルトーク(申し込み不要) 4月25日午前11時から/講師 平山郁夫美術館館長(実弟)・平山助成/無料(要観覧券)
■瀬戸内の暮らしを知るトーク(申し込み不要) 5月9日午前11時から/講師 瀬戸内海歴史民俗資料館専門職員(前館長)・田井静明/無料(要観覧券)
■学芸員によるミュージアムトーク(申し込み不要) 5月2、16日、6月6日の各午前11時から/同館展示室/無料(要観覧券)
■子どもの鑑賞会(申し込み不要) 5月5、24日、6月7日の各午前11時から/同館展示室/無料(要観覧券)

(四国新聞・2026/04/16掲載)

東山魁夷せとうち美術館