©TGR WRT / McKlein

WRC第4戦クロアチア(ターマック)は、最終パワーステージで、首位に立っていたティエリー・ヌービルがコンクリートブロックにヒットして足まわりを破損。1分以上差がついての2番手でこのステージを走り終えていた勝田貴元は、予期せぬ格好でキャリア2勝目を飾ることとなった。フィニッシュでは複雑な表情を見せていた勝田が、その心境を語ってくれた。

──2連勝ですね
「もちろん予想していませんでした、パンクから何から、色々なことが起こるクレイジーな週末になりました。今日も、あれほどまでポリューションがあるとは思いませんでした」

──勝てると思っていましたか?
「かなりナーバスでした。多くの人は、1回優勝したら2勝目はすぐにやってくると言っていましたが、十分に信じ切ることができませんでした。もちろん、起きたことにはとても驚いています。ティエリーも、(コ・ドライバーの)マルティンも、ヒョンデの人たちにも、心から気の毒に思います。それがいまの自分にとっては、最も重要な感情です。もちろん、自分のチームのみんなやアーロンについてはうれしいですし、この週末はクレバーな仕事ができたと思っています。でも、自分自身も同じような経験をしてきたので、心の痛みを感じます」

──サファリでの勝利とは、かなり違った感触なのでは?
「とても違います。何が起きたのか、まだちょっと信じられない気持ちです。次戦に向けて集中して、もっと良くなるために頑張ります」

──日本人として初めて、WRCでポイントリーダーとなりました。
「シーズンもまだ序盤ですし、こうしてここまで来ることができたのは、支えてくれたすべての方々、そして周りにいる人たちのおかげです。自分をドライバーとして起用してくれたからこそ、自分がここにいるわけです。ですから、自分としては、与えてもらったすべてのものや機会に報いるために、努力を続けたいと思っています。今はまだ、その過程にあるので、自分の仕事に集中して自分のやるべきことをやっていきたいと思います」

──タイトル争いに絡む状況になってきました。
「自分自身の仕事に集中していきます。安定した結果を出していって、ベストを尽くすことが最も必要なことです。シーズンはトリッキーになるでしょう。エルフィンもオリバーも強いドライバーですし、セブもカムバックします。簡単な競争には決してならないと思うので、ベストを尽くし、すべきことに集中していきます」

──WRCで2連勝してランキングトップに立ったことは、トヨタにとってどんな意味を持つと思いますか?
「トヨタにとっても日本のファンにとっても、とてもいいことだと思います。でも、自分をもっと高めていく要因を多く見つけたと感じています。それに集中して、もっといいドライバーになってカナリアに臨みます」

──今回、ルートノートクルーとの連携はいかがでしたか?
「いいところもありましたが、もっと改善した方がいいという部分もたくさんあったので今後の糧にしたいです。次のカナリアに向けてもいい反省材料になりました。ただ、今回は金曜日から状況が状況だったので、無理にプッシュはできない部分と、逆に自分が行けると思ったところでは多少プッシュしてタイムを縮めながらっていう感じだったので、それがすごく難しかったです。慎重になっている時の方がクルマって不安定になるので、そんな時のインフォメーションの感じなどが、どうしてもうまくいかなくて。でも、そこは自分もユホ(ハンニネン、ノートクルー)さんも分かっているので、次に向けて改善していけると思います」

──オィット(・タナック)さんからは今回もサポートを受けていたのですか?
「今回もたくさんサポートしてもらいました。こういった難しい状況で、もっとプッシュした方がいいのかなとか、プッシュして良かったステージとかその後のリアクションとか、そういったところも含めてです。トップドライバーと相談しながらだと自信にもなりますし、これでいいんだ、とも思えるので。オィットさんの存在は自分にとって本当に大きいので、今回も支えてもらった結果がこの優勝につながったと思っています」
(Keiko Ito)