2026年1月8日 午前7時30分
【論説】福井県内高校の新聞部が、それぞれ独自の学校新聞作りに奮闘している。部員集めに悩む学校もあるが、「今後も学校の魅力を伝える紙面を作りたい」と意気込む。学校新聞の本質を追い求め、紙媒体ならではの情報発信を続けてほしい。
県内では終戦直後の1948年、新教育制度とともにいくつかの高校で新聞部ができた。福井新聞社と県高校文化連盟新聞部会が共催する「県学校新聞コンクール」は65年に始まり、2025年度で60回を数える。
県高校文化連盟新聞部会への登録校は1997年度23校あったが、現在、新聞を発行しているのは金津、藤島、鯖江、武生商工、美方、北陸の6校に減少している。
新聞作りは手間がかかる。しかし、顧問教諭によると新入部員の成長が目に見えて分かるという。どの学校も足で稼いでネタを探し、レイアウトに工夫を凝らし、記事からは熱い思いが伝わる。パソコンによる編集ソフトの充実も活動を後押ししているようだ。
節目となる60回目の同コンクールで最優秀賞に輝いたのは美方で、6年連続の受賞である。定期発行の「美方高校新聞」の3号に加え、号外を9号発行した。校外での探究発表会、町のSDGsイベントなど、校内行事だけでなく地域に足を延ばし、話題に深みを持たせた。特に「もし美方高校にいる時に大きな地震が起こったら…」と問題提起した震災の企画が目を引いた。
部員たちは「読み手に地域の魅力を伝え、問題意識を持ってもらえるような記事づくりを心掛けている」と話す。さらに、地域の中学校にも新聞を配布し、高校の活動や意見を知ってもらうツールとしている点が独自の工夫だ。まさに地域とつながる新聞になっている。
本来の学校新聞の本質とは何か。伝えたいのはやはり、高校生自身による意見や主張、問題提起ではないだろうか。社会的なテーマをはじめ、「校則問題」などの各高校の課題がある。紙面が議論のきっかけとなり、そこから社会への関心をさらに高めるだろう。
新聞部の長所について、美方高で11年間顧問を務めた竹中紀恵教諭(現敦賀高)は「新聞作りを通して部員たちは学校のことを知る機会になり、学校が好きになり、地域に愛着がわく。考える力や表現力は豊かになり、取材時の質問も深くなっていく」と話す。パソコンやスマホといったデジタルが進展する中でも、学校新聞の役割や使命は大きい。
