左から学長 在間 敬子 氏 俳優 内藤 剛志 氏
自然あふれる京都・神山で、文系・理系10学部がワンキャンパスに集う京都産業大学。創立60周年を迎えた今年、文化学部のリニューアルやアントレプレナーシップ学環の新設など、新たな挑戦が本格的に始まっています。そんな大学の今を体感しようと、京都にゆかりのある俳優、内藤剛志さんがキャンパスを訪れ、在間敬子学長と京都で学ぶ面白さや文理融合が生みだす力について、ゆったり語り合いました。
京都まるごとが教室になる ― 街とつながるキャンパスライフ
内藤 僕、今年で70歳になるんですが、大学時代って自分の原点だなと改めて感じるんです。今日は京都産業大学の魅力をじっくり聞きたくて来ました。何度か撮影でお邪魔させてもらってますが、とにかく広いですよね!
在間 よく言われます(笑)。東京ディズニーランドの1.3倍、東京ドーム13個分もの広さがあるんですよ。自然に囲まれた高台なので景色もよくて、天体観測にも最適なんです。国内の私立大学として最大級の望遠鏡がある「神山天文台」もあります。天文の研究だけでなく、地域の方にも開放しているんですよ。
内藤 それはすごい!京都って伝統の街というイメージが強いけど、実は最先端技術の集積地でもありますよね。新しいもの好きとも言われますし。
在間 まさにそこが京都の面白さなんです。古い文化が息づく一方で、新しい技術にも触れられる。本学でも、老舗の職人さんに学ぶプロジェクトから、天文学、気象学、生命現象に挑む最先端の研究まで本当に幅広いんです。来年度には文化学部がリニューアルして、伝統文化と生成AIなどのデジタル技術を融合した新しい学びも始まります。「京都で学ぶ」と同時に「京都を学ぶ」。この街全体が、まるごと教室みたいなものなんですよ。
内藤 それは魅力的ですね。京都って、千年の歴史に触れつつ、ベンチャー企業も元気で。そういう空気の中に身を置くだけで、発見が生まれそうですね。
在間 およそ1万6000人の学生がいますが、多くは京都以外の出身者で、全国から集まってきています。京都にそのまま住み続ける卒業生も多いんですよ。京都での学びが、その後の人生にもつながっていくんだと思います。
内藤 学生さんとも直接話す機会があるんですか?
在間 はい。キッチンカーの列に並ぶ学生に「今日は何食べるの?」って話しかけたり(笑)。学生から私に気づくことも多いんです」
内藤 学長先生が気軽に話しかけてくれるっていいですね。あと、茶室があることにびっくりしました。
在間 「瑞秀庵」ですね。お客さまをお迎えしたり、私自身も茶道で使ったりしています。キャンパスの中にこうした空間があるのも、京都ならではといえますね。
内藤 最先端の研究棟のすぐ近くに茶室…まさに“伝統と未来”ですね。
在間 大学は地域とつながる開かれた場であるべきだと思っています。祭りや行事、地域の人との出会いも大きな学びになりますし、学びが街に広がっていく環境をもっと育てたいですね。
キャンパス内の菖蒲池と瑞秀庵(ずいしゅうあん)
文理が交じり合うことで、新しい発見が生まれる ― “むすんで、うみだす”学びの力
内藤 僕が学生時代にいちばん感じたのは、多様な人と出会うことの価値でした。自分だけじゃ限界があって、誰かと一緒にやることで世界が広がるんですよね。
在間 本当にそう思います。文系・理系あわせて10学部が同じキャンパスにあるので、違う分野の学生と自然に交わる場がたくさんあるんです。視点が違うからこそ「そんな考え方があるんだ!」って驚きが生まれ、新しい価値につながるんですよ。
内藤 いろんな分野を研究している人たちがすぐ隣にいるキャンパスって理想的ですね。ちょっとした会話からアイデアが浮かぶことも多いでしょうし。
在間 たんぱく質の構造を観察できる最先端の電子顕微鏡も、宇宙を観測する天文台もある。ミクロからマクロまで幅広い研究が同じキャンパスで行われているという点も、本学の魅力のひとつかなと思います。
内藤 それってすごいことですよね。茶室もあるし、最先端研究もあるし、振れ幅が広い(笑)。
在間 だからこそ、教員と学生が一緒に考え、得意なことを持ち寄って新しいものを生み出す“創発”の文化を、もっと広げていきたいと考えています。
内藤 そのワクワク感って、すごく大事ですよね。僕は、いつも上機嫌でいることを心がけています。僕の姿から「年を重ねるのって楽しいんだな」と、若い人に感じてもらいたい。
在間 楽しさは成長の原動力ですからね。「できた!」の積み重ねが次の挑戦につながっていきます。小さくても前に進めたことを大事にしてほしいと思います。
60周年から次の挑戦へ ― 未来をつくる京産大の進化
内藤 大学は創立60周年を迎えられたんですね。卒業生も16万人以上とうかがいました。
在間 創立当初は理学部と経済学部だけの小さな大学でしたが、今では10学部の総合大学になりました。卒業生は産業界、行政、研究職など幅広く活躍しています。
内藤 挑戦してきた60年だったんですね。
在間 創設以来ずっと大切にしてきたのが「むすんで、うみだす。」という理念です。分野や人をつないで、新しい価値を生む。来年にはアントレプレナーシップ学環も新設され、学生が起業家と一緒に学べる環境が整います。
内藤 理念がキャンパスでちゃんとかたちになっているのが素敵です。
在間 基礎研究から応用まで一気通貫で学べる環境づくりと同時に、挑戦する文化を育てたいですね。
内藤 僕にとって大学は、人生のきっかけに出会える場所でした。
在間 その言葉、すごく共感します。「ここで人生が開けた」という卒業生の声をよく聞きます。多様な価値観や人との出会いが、新しい未来をつくるんです。
内藤 お話を聞いていて、僕も入学したくなりました(笑)。70歳でも大丈夫ですか?
在間 もちろんです。学びに年齢は関係ありません。本学はこれからも、誰もが学び続けられる開かれた大学でありたいと思っています。
内藤 受験生の皆さんにも、ぜひその空気を感じてほしいですね。
在間 京都で京都を学び、伝統と未来をむすんで、新しい価値をうみだす。そんな学びを、このキャンパスでぜひ体験していただきたいですね。
京都産業大学 学長
在間 敬子(ざいま・けいこ)
1961年大阪府出身。84年に大阪大学理学部を卒業し、民間企業で化学材料の研究に従事。
環境問題への関心から京都大学大学院経済学研究科に進学。修士・博士課程を修了。
博士(経済学)、博士(工学)。2007年に京都産業大学経営学部准教授に着任、2011年に同学部教授に。経営学部長、副学長を歴任し、24年10月より現職。文系・理系両方の学びの経験から、文理融合教育に力を注ぎ、複合的な課題解決能力をもつ人材育成に力を注ぐ。
俳優
内藤 剛志(ないとう・たかし)
1955年大阪府出身。冷静沈着な刑事役から人情味あふれる父親役まで幅広く演じ分け、特に「科捜研の女」や「警視庁・捜査一課長」などの刑事ドラマで国民的な人気を博す。映画、舞台、ナレーションなど活躍の場は多岐にわたり、親しみやすい人柄でも知られる。京都を舞台にした作品に多数出演するほか、プライベートでも京都に移り住み、京都の魅力を発信し続けている。
