米国、和平合意迫るためウクライナに圧力 情報・武器削減=関係筋

トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領、2025年10月17日撮影 REUTERS/Jonathan Ernst

[キーウ/ワシントン 21日  ロイター] – 米国が仲介する和平交渉の枠組みにウクライナが合意するよう圧力をかけるため、米政府はウクライナへの情報共有や武器供給を削減する方針を示している。2人の関係筋が明らかにした。

米国はウクライナに対し、戦争終結に向けロシアの主要な要求の一部を支持する内容を含む28項目の和平案を提示。ウクライナの領土割譲や軍縮のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟の禁止などが盛り込まれている。

関係筋によると、米国はウクライナが11月27日の米感謝祭までに和平の枠組みに合意することを望んでおり、ウクライナは米政府から過去の和平協議よりも大きな圧力を受けているという。

ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ウクライナを訪問している米陸軍のダニエル・ドリスコル長官が率いる代表団と米国が提示した和平案について協議。米国の駐ウクライナ大使のほか、代表団に同行した米陸軍報道官らは、米国は合意文書の署名の「積極的なタイムライン」を求めているとした上で、20日に実施された協議は「成功」したとの見方を示している。

米国との協議を受け、ゼレンスキー大統領は21日、英独仏首脳と電話協議を実施。「ウクライナは戦争終結に向けた米政府、トランプ米大統領とそのチームの取り組みを評価しており、米国が提示した文書に取り組んでいる。この計画は、真の平和を確保するものでなければならない」と述べ、米国が提示した案を拒否したり、米国を刺激したりすることは避ける姿勢を示した。

欧州は米国が示した28項目の和平案について事前に知らされておらず、欧州首脳はウクライナに対する強い支持を表明。欧州連合(EU)の外相に当たるカラス外交安全保障上級代表は「誰にとっても極めて危険な局面にある」とした上で、「誰もがこの戦争の終結を望んでいるが、どのように終結させるが重要だ」とし、「ロシアには侵略した国から譲歩を受ける法的権利は一切ない。最終的に合意条件を決めるのはウクライナでなくてはならない」と述べた。

米政府関係者は、28項目の和平案はゼレンスキー大統領の側近、ウメロフ国家安全保障・国防会議書記(前国防相)との協議を経て作成されたと説明している。ただ、ウメロフ氏は21日、和平案の条件について協議したことはなく、承認したこともないと対話アプリ「テレグラム」に投稿。21日の米代表団と協議後「ウクライナの主権を侵害する計画を受け入れることはできない」との立場を改めて示した。

ロシア大統領府は米国が提示した和平案について、米国から公式な通知は受けていないと表明。ロシア大統領府のペスコフ報道官は「ウクライナは責任ある決断を下さなければならない」と述べた。

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Gram Slattery

Gram Slattery is a White House correspondent in Washington, focusing on national security, intelligence and foreign affairs. He was previously a national political correspondent, covering the 2024 presidential campaign. From 2015 to 2022, he held postings in Rio de Janeiro, Sao Paulo and Santiago, Chile, and he has reported extensively throughout Latin America.