ウクライナを支援する欧州主要国は、米国とロシアの特使が取りまとめた和平案の中核部分を拒否することで一致し、ウクライナと足並みをそろえた。和平案を受け入れさせようと、米国は軍事支援の打ち切りをウクライナに示唆した。

  ドイツ政府の声明によると、メルツ首相とフランスのマクロン大統領、英国のスターマー首相は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行い、ウクライナ軍が主権を防衛する能力を引き続き維持すべきだとの認識で一致した。

  米ロがまとめた28項目から成る和平案への対応を協議すべく、メルツ首相が電話会談を呼び掛けた。ブルームバーグ・ニュースが確認した和平案のコピーによれば、この計画ではクリミア、ルハンシク、ドネツク各地域が「事実上のロシア領として認められる」とされている。認める国には米国も含まれる。ウクライナはまた、100日以内に選挙を実施し、北大西洋条約機構(NATO)加盟の望みを放棄、軍の規模を削減することが求められる。

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Volodymyr Zelenskiy in Brussels in October.

ウクライナのゼレンスキー大統領

Photographer: Geert Vanden Wijngaert/AP Photo

  事情に詳しい関係者によると、和平案にウクライナが同意しない場合、米国は軍事情報の共有や兵器供給をて停止し、あらゆるプロセスから手を引くとどう喝。ホワイトハウスはコメントの要請にすぐには応じなかった。このどう喝については、ロイター通信が他社に先駆けて報じていた。

  ゼレンスキー氏は電話会談後にX(旧ツイッター)への投稿で「われわれは米国側が作成した文書に基づいて作業を進めている。これは、真に尊厳ある平和を実現する計画でなければならない」と述べ、「原則的な立場が反映されるよう、緊密に調整を続けている」と続けた。

  米国とロシアは戦争終結に向けた取り組みの中で、欧州諸国をほぼ排除してきたが、欧州の対応はウクライナの今後の動きを左右する重要な要素だ。欧州連合(EU)はウクライナの戦争継続を支えるため、約1400億ユーロ(約25兆2900億円)の拠出を可能にする仕組みについて合意を模索しているが、協議は難航している。

  ドイツ政府のコルネリウス報道官は記者団に対し、「重要なのは公正で永続的な平和であり、この計画のいくつかの要素はその目標の実現に向けて有効だと考えている」と述べた。さらに「ウクライナの恒久的な平和という目標に近づくよう、この計画を建設的に導いていく過程に関与していきたい」と語った。

  インタファクス通信によれば、ロシア大統領府のペスコフ報道官はウクライナの和平案について、米国から正式な提案は受け取っていないと述べた。

原題:Ukraine, European Allies Reject Key Parts of US-Russia Plan (2)、Kremlin Says Hasn’t Yet Received US Peace Plan for Ukraine: IFX(抜粋)

— 取材協力 Alex Wickham

(詳細を加えて書き換えます)