過去最長に及んでいる米連邦政府機関の閉鎖は終結に近づきつつある様子だ。上院の中道派民主党議員が政府再開と一部省庁・機関向け予算を盛り込んだ合意案を支持することに同意した。協議に詳しい複数の関係者が明らかにした。
合意内容によると、連邦議会は農務省と退役軍人省、議会自体の2026年度(25年10月-26年9月)予算案を可決し、その他の省庁については来年1月30日までの資金を確保する。法案には、休職中の連邦政府職員への給与支払い再開や、州・地方自治体への連邦支払いの再開、閉鎖期間中に一時解雇された政府機関職員の復職措置が盛り込まれている。
政府閉鎖が終結に向かうとの期待が高まり、投資家のリスク選好が強まった。株価は上昇し、債券と円は下落した。米株価指数先物はアジア時間10日の取引で急上昇。日本市場でも株価が上昇している。
上院は9日に手続き上の表決を行う予定。これがクリアされた場合、政府閉鎖を早期に終結させるには全議員の同意が必要となる。上院議員のうち1人でも異議を唱えれば、数日間の審議遅延や追加の表決の必要性が生じる可能性がある。
その後、下院が法案を可決すれば政府は再開する。ジョンソン下院議長(共和)は、議員に対し帰還準備のため2日前に通知を行うと述べている。
トランプ大統領は9日夜、フロリダ州からホワイトハウスに戻る際に記者団に対し「政府閉鎖の終結に近づいている様子だ」と述べた。
バージニア州選出で多くの連邦政府職員を地元に抱えるケイン上院議員(民主)も同日、この法案が政府職員への支援を盛り込んでいることを理由に合意案を支持する意向を示した。
ただ、下院での可決はまだ確実ではない。民主党指導部は、失効が迫る医療保険制度改革法(オバマケア)保険料補助金の延長を含まない合意案には反対の立場を表明。この法案には延長措置が盛り込まれていない。
一方、共和党保守派議員は、政府全体の予算を来年9月末の年度いっぱいまで確保する包括的な法案を求めている。
メンツを保つ形での今回の合意は、民主党指導部が掲げていた目標からは大きく後退した内容となった。同党指導部はオバマケア保険料補助金の延長に加え、共和党が今年初めに可決したメディケイド(低所得者向け医療保険制度)の削減撤廃を求めていた。
協議に詳しい関係者の話では、民主党は共和党から、医療保険制度改革法に基づく税額控除の延長法案について12月半ばまでに表決を実施するとの約束を取り付けた。この約束は数週間前に共和党のスーン上院院内総務が提示していたもので、全ての民主党議員を満足させるものではなかった。
民主党のジェフリーズ下院院内総務は9日夜の声明で「われわれは下院で共和党の法案と闘う」とコメントした。
40日に及ぶ政府閉鎖の決着に向けた動きは、過去の対立構図を想起させるものだ。政府閉鎖を政策目的の達成手段として利用しようとした政党が、最終的に成果を得られなかったケースだ。トランプ氏は2018-2019年の閉鎖時に国境の壁建設資金を確保できず、共和党も13年の閉鎖でオバマケア廃止を実現できなかった。
民主党は今年、9月19日に下院で可決された無条件のつなぎ予算案を14回にわたり阻止した。この案は11月21日までの政府資金をカバーする内容だった。政府閉鎖は5日、トランプ政権1 期目の18-19年に記録した35日間を超え、米国史上最長となった。
民主党のシューマー上院院内総務は9日夜、この合意案に反対する意向を表明。7日には、オバマケア関連税額控除を1年間延長することを条件に政府再開を認めると述べていた。
共和党側はこの提案を即座に拒否。共和党議員の多くは、まだ公表されていない党独自の代替案と引き換えに、オバマケアを全面的に置き換えることを求めている。
原題:US Shutdown Nears End as Senate Democrats Agree to Funding Deal、Stocks Rise, Bonds Fall as US Shutdown Nears End: Markets Wrap(抜粋)
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