犯罪フランス、EUの暗号資産監視強化でBinanceを新たに調査開始

フランスの金融当局は、世界最大の暗号資産取引所である**Binance(バイナンス)**に対する調査を強化した。これは、欧州連合(EU)全体でマネーロンダリング防止(AML)対策を徹底するための取り組みの一環である。

Bloombergの報道によると、フランスの銀行・市場規制当局は、登録済みの暗号資産事業者に対する監査を強化し、今後導入されるMiCA(Markets in Crypto-Assets)規制の下で正式なEU認可を受ける資格がある企業を選定している。現在、フランスには100社以上の暗号資産関連企業が登録されているが、完全な規制承認を得た企業はごくわずかだ。

ACPRによる現地査察と主要対象

フランスの金融監督当局である**ACPR(Autorité de Contrôle Prudentiel et de Résolution)は、取引所の疑わしい取引監視、リスク管理、顧客資産の保護体制を確認するため、複数回の現地査察を実施したとされる。対象にはBinanceのほか、国内取引所Coinhouse(コインハウス)**も含まれている。

Binanceは、監督官がパリオフィスを訪問したことを認め、「通常の点検手続きの一環」であり、引き続き当局と協力しているとコメントした。しかし、今回の調査は、すでに世界各地で法的問題を抱える同社にとって、さらなる負担となっている。

既存の捜査とMiCA認可への影響

今年初め、フランス検察当局はBinanceに対し、マネーロンダリング、脱税、無許可の金融活動の疑いで別途捜査を開始した。この捜査は継続中であり、今回の監督審査はMiCAライセンス取得の道をさらに難しくする可能性がある。

フランスのAML規制では、登録済みの取引所はすべて**PSAN(Prestataire de Services sur Actifs Numériques)**基準に従うことが義務づけられている。これは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与を防ぐための強固な内部統制を求めるものだ。基準を満たさない企業には改善期間が与えられるが、是正が行われない場合は罰金や登録取消の対象となる。

MiCA認可の期限とEU全体への影響

フランス政府は、取引所が2026年6月までにMiCA認可を取得することを求めている。このライセンスを取得すれば、EU加盟国全域での営業が可能になる。現在、認可を得ているのはDeblock、GOin、Bitstack、Credit Agricole傘下のCACEISなど、わずかな企業に限られている。

Binanceの規制問題はヨーロッパにとどまらない。ナイジェリアでは、脱税、外国為替法違反、経済的不正行為の疑いで訴えられ、795億ドル(約12兆円)もの損害賠償を求められている。ナイジェリア当局は、Binanceの活動が通貨不安定化と法人税未納につながったと主張している。

EU監督の一元化議論

今回のフランス当局の強硬姿勢は、EUがMiCA規制を国境を越えて一貫して適用する方法を議論する中で示された。フランス、イタリア、オーストリアなどの加盟国は、**欧州証券市場庁(ESMA)**がより中央集権的な監督権限を持つべきだと主張し、大規模なグローバル取引所に対する統一的な監督の必要性を訴えている。

規制当局からBinanceへのメッセージは明確になりつつある。単なる協力ではもはや不十分であり、EU暗号資産業界における「緩やかな監督時代」は終わりを迎えようとしている。

出典:Bloomberg

本記事の情報は参考情報として提供されるものであり、金融・投資・取引に関する助言を構成するものではありません。Coindoo.comは特定の投資戦略や暗号資産を推奨・支持するものではありません。投資判断を行う前には、必ずご自身で調査を行い、有資格の金融アドバイザーに相談してください。

著者

クラシミル・ルセフ氏は、暗号資産や金融市場を長年取材してきた経験豊富なジャーナリストです。彼はデジタル資産に関する分析、ニュース、予測を専門としており、読者に最新の市場動向について深く信頼できる情報を提供しています。彼の専門知識とプロフェッショナリズムは、投資家やトレーダー、そして暗号資産の動きを追うすべての人々にとって貴重な情報源となっています。


関連記事

次の記事

Share.