10月10日はメンタルヘルスデー
2025年10月10日は国際記念日「世界メンタルヘルスデー」だ。日本各地で心の健康にまつわる啓発イベントが開催された。また国内外でシンボルカラーであるシルバーとグリーンのライトアップなどもされていた。
心の健康を害してしまうと、最悪の場合自殺という結果になってしまう。心の健康は職場、学校、家庭など環境による影響も大きい。多くの企業が自殺防止に取り組み、成人の自殺者数は減っているが、増えているのは学生や生徒だ。2025年の『令和6年中における自殺の状況』(厚生労働省)によると、2024年は1077人が命を自ら絶っていた。中でも小中高生は過去最多の529人だった。
2025年9月11日、こども家庭庁が発表した『こどもの自殺対策推進パッケージ』には従来の「『心の健康』に関する指導の着実な実施、啓発資料の周知」に加え、新しく「学校における精神保健に関する知識の向上」が加わっていた。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「子供の自殺の背景がいじめということも多いです。いじめによる心の傷は成長しても残り続け、一生苦しむことも多々あります。不可解な行動の源流を辿ると、いじめということもあるのです」という。
山村さんは「困っている人を救える人になりたい」という気持ちが強い。学生時代は警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修行に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。
『調査目的確認書(誓約書)』『重要事項説明書』。『調査情報』は、調査対象者の特徴などを聞き取りするための書類。自宅の構造など、山村さんの経験から調査に必要な情報を網羅している。
カウンセリングルームでの山村佳子さん
これまで「探偵が見た家族の肖像」として山村さんが調査した家族のことをお伝えしてきたが、この新連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにして行ったのかも含め、様々な事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮しながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。
今回山村さんのところに相談に来たのは45歳の会社経営者・雄星さん(仮名)だ。「妻が職場でいじめられていないかどうか、知りたいのです」と山村さんのところに相談してきたのだ。
山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやweb連載など様々なメディアで活躍している。
作業服の「社長」
雄星さんから電話があったのは明け方でした。「1ヵ月ほど、悩んだのですが、やっぱり調べて欲しいのです」と言います。その日の19時にカウンセリングルームにやってきた雄星さんは作業着姿でした。
「私、オフィスビルの清掃の仕事をしていて、この後、夜勤なのです。私こんな格好でごめんなさい」とおっしゃっていました。差し出した名刺には代表取締役社長の肩書きがありました。
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まず、落ち着いていただいてから、頭を悩ませているという妻についてお話を伺いました。
「妻と結婚したのは10年前です。当時、起業したばかりでしたが、人手不足の背景もあり、業績は順調に伸びていました。私は容姿端麗な女性が好きで、結婚するなら美人がいいと思っていたのです。いわゆるキャバクラで、入店間もない妻に一目惚れをし、口説き落として出会いから半年で結婚したのです」
雄星さんは短髪に長身で筋肉質な体型をしています。いかにも優等生といった真面目な風貌で、元キャバ嬢が妻というのが意外です。「学生時代、私は地味だったので、ヤンキーにコンプレックスがあったのです」とはにかんでいました。
妻の写真を見せていただくと、モデルかタレントのようです。均整が取れた体つきをしてており、“向かうところ敵なし”といった感じで写真に写っていました。
