
十和田市法量焼山の山中で撮影されたイノシシの群れ(高渕英夫さん提供の映像から)
青森県内で近年、イノシシの目撃が増えている。県によると2019年度の目撃情報が10件・10頭だったのに対し、昨年度は153件・316頭と急増。本年度も10日現在で200頭以上が目撃されている。十和田市の山中では今月、18頭ものイノシシの群れが移動する姿が定点カメラで撮影された。県や市町村は生息状況の把握などに向け捕獲を進める一方、積極的な情報提供を呼びかけている。
18頭の群れは東北巨木調査研究会の高渕英夫会長(同市)が所有する同市法量焼山の山に設置した3台の定点カメラで撮影。6日午後5時半ごろ、カメラの前を大勢のイノシシがぞろぞろと横切った。
高渕さんは、まだ県内でイノシシの存在が深浦町以外で確認されていなかった2018年冬、イノシシらしき生物を目撃したことから定点カメラを設置、イノシシやクマなど野生動物の動向を観察している。「この18頭は山にすみ着くのではなく通り過ぎただけと思うが、今年はイノシシが多い。クマも例年の2倍確認しているが、イノシシは3倍だ」と話す。さらに、イノシシは警戒心が強くわなにかかりにくい−とし「農作物への被害も心配だが、突進してくると対処のしようがない」と人的被害も懸念している。
県によると本年度は10日までに89件・219頭の目撃情報が寄せられている。人的被害は確認されていないが、稲が倒されたりナガイモの種芋を食べられたりと農作物への被害も年々増え、昨年度の被害額は前年度比83%増の1367万円だった。
