カナダ・オタワ(2025年10月9日)—アジア開発銀行(ADB)の神田眞人総裁は、民間セクター参画やエネルギー安全保障、サプライチェーン強靱化についての協力深化に向け、政府高官や企業代表者との会談を行った、今週のカナダ訪問を締めくくった。
神田総裁は、「カナダは半世紀以上にわたりADBの信頼のおけるパートナーであり、今回の訪問を通じて、アジア・太平洋地域における持続可能な成長に向けた機会を共に創出するための共通のコミットメントを改めて確認した」とした上で、「ASEANパワーグリッドから重要鉱物の開発に至るまで、カナダの知見と資本が、地域に持続的な成果をもたらすとともに、カナダ国内で経済的機会を創出できる具体的な道筋について、意見交換を行った」と述べた。
オタワでは、神田総裁はカナダのランディープ・サライ国務大臣(国際開発担当)と会談を行った。また、グローバル連携省(Global Affairs Canada)のクリストファー・マックレナン次官の司会進行のもと開催された座談会に参加し、民間資金動員や地域統合の強化に向けたADBの取り組みについて意見交換を行った。
トロントでは、神田総裁はアジア・太平洋地域におけるカナダ企業の新たな貿易・投資機会を模索すべく、カナダ輸出開発公社(Export Development Canada: EDC)のアリソン・ナンキベル社長兼CEOと会談した。会談では、カナダの主導的役割が世界的に認知されている分野であるクリーンテクノロジー、持続可能なインフラ、重要鉱物の分野について重点的に意見交換が行われた。
神田総裁はまた、Gowling WLG主催によるカナダのビジネスリーダーとの意見交換昼食会に出席した。同会合では、アジア・太平洋地域におけるビジネス機会をカナダ企業が如何に活用できるかについて、重点的に意見交換が行われた。
今回の訪問では、特に経済の強靱化、気候変動対策の推進、ジェンダー平等の促進といった分野における、ADBの優先分野とカナダのインド太平洋戦略との整合性が改めて確認された。神田総裁は、アジアのインフラ需要が年間1.7兆ドルに上ることを踏まえ、カナダの年金基金や機関投資家、銀行が、ADBの保証やブレンデッド・ファイナンス、リスク分担メカニズムと併せて、地域の持続可能なインフラやクリーンエネルギー事業に資金提供を行う機会について議論した。
カナダは、1966年以来のADB創設メンバーであり、これまでに、「アジア民間セクターのためのカナダ気候・自然基金」(Canadian Climate and Nature Fund for Private Sector in Asia)への2億6,700万ドルを含む、ADBの信託基金に総額5億1,600万ドルを貢献している。これらの支援は、アジア・太平洋地域における民間投資の促進、気候変動対策の推進、ジェンダー平等の実現に大きく貢献している。
ADBは、アジア・太平洋地域の持続可能でインクルーシブかつ強靭な成長の促進に向けて取り組む主要な国際開発金融機関である。ADBは、加盟国・地域やパートナーと緊密に連携し、複雑な課題に対応するために革新的な金融手段を駆使し、戦略的パートナーシップを通じて地域の人々の生活向上や質の高いインフラ整備を進めるとともに、地球環境の保護にも貢献している。ADBは1966年に創立され、50の域内加盟国・地域を含め69の加盟国・地域によって構成されている。
