イスラエル、アルジャジーラ記者を殺害 ハマスのリーダーと主張

 イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザの最大都市ガザ市への10日の空爆で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのジャーナリストを装ったイスラム組織ハマスの下部組織リーダーを殺害したと発表した。写真はアルジャジーラのジャーナリストらが殺害されたとされる現場。ガザ市で11日撮影(2025年 ロイター/Ebrahim Hajjaj)

[カイロ/エルサレム 11日 ロイター] – 中東の衛星テレビ局アルジャジーラの著名ジャーナリスト、アナス・アル・シャリフ氏が10日、パレスチナ自治区ガザの最大都市ガザ市でイスラエル軍の空爆により死亡した。イスラエル軍は、アル・シャリフ氏がジャーナリストを装ったイスラム組織ハマスの下部組織リーダーだと主張。アルジャジーラはこれを否定し、攻撃を強く非難した。

ガザ当局者とアルジャジーラによると、ガザ市東部のシファ病院近くのテントへの空爆で、アナス・アル・シャリフ氏らアルジャジーラのジャーナリスト4人とアシスタント1人が死亡した。同病院の関係者によると、この空爆で他の2人も死亡したという。

イスラエル軍は昨年10月、訓練コース修了者や給与のリストなどの文書を基にアル・シャリフ氏をハマスとパレスチナ・イスラム聖戦のメンバーである疑いのあるジャーナリスト6人のうちの1人に挙げたがアルジャジーラは否定していた。

イスラエル軍は声明で、アル・シャリフ氏について、ハマス下部組織のトップで、「イスラエルの民間人とイスラエル国防軍(IDF)部隊に対するロケット弾攻撃の実行に関与していた」と述べた。

報道の自由を求める団体は7月、アル・シャリフ氏の身に危険があるとして国際社会に保護を求めていた。アイリーン・カーン国連特別報告者は7月、アル・シャリフ氏に対するイスラエルの主張は根拠がないと述べた。

アル・シャリフ氏は死亡する数分前、50万人以上のフォロワーを持つXのアカウントに、イスラエルがガザ市を2時間以上にわたって激しく空爆していると投稿した。

アルジャジーラは、アル・シャリフ氏を「ガザで最も勇敢なジャーナリストの一人」と称賛し、今回の攻撃は「ガザ占領に備え、人々の声を封じ込めようとする必死の試みだ」と述べた。

報道の自由を求める団体は、イスラエルは同氏と武装組織の関連を裏付ける証拠を一切提示していないと指摘。「イスラエルが、信頼できる証拠を示すことなくジャーナリストを過激派と決めつけるやり方は、同国の意図と報道の自由の尊重について深刻な疑問を投げかける」と中東・北アフリカ地域ディレクター、サラ・クダ氏は述べた。

アル・シャリフ氏は、昨年のピュリツァ―賞でロイターが、ガザ情勢を克明に記録した写真でニュース速報写真部門を受賞した取材チームにも在籍していた。

ハマスは、この殺害はイスラエルの攻撃開始を示唆している可能性があると指摘した。

ハマスが運営するガザ政府メディア局によると、23年10月7日の紛争開始以降237人のジャーナリストが殺害された。報道の自由を求める団体は、少なくとも186人のジャーナリストが殺害されたとしている。

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Nidal Al-Mughrabi

A senior correspondent with nearly 25 years’ experience covering the Palestinian-Israeli conflict including several wars and the signing of the first historic peace accord between the two sides.

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