
基本的な感染対策の実践を呼びかける泉川教授=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院
長崎県内では「史上最速の梅雨明け」で暑い日が続く中、激しいせきに見舞われる「百日ぜき」など感染症の患者も増えている。長崎大学病院総合感染症科の泉川公一教授(56)に現状や注意点を聞いた。
−感染症の現状は。
百日ぜきや(両頬などに赤い発疹が出る)伝染性紅斑(リンゴ病)の感染者が増えている。2020年からの新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で、国民がマスクを着用し、飛沫(ひまつ)により広がる感染症が大幅に減っていた。「5類」移行でマスク着用など感染対策へのプレッシャーが減ったことで再び感染症が増えている。
−「史上最速の梅雨明け」の影響は。
気候の変化は少なからず人の免疫や自律神経にも影響する。極めて暑い日が続き、熱中症や脱水症状の危険が高まる中、特に高齢者は注意が必要だが、免疫力の低下などで感染症を起こしやすくなる面はある。
−熱中症の救急搬送も増えているが、医療が逼迫(ひっぱく)する状況にあるか。
大学病院自体は現状では逼迫する状況ではない。ただ心配しているのは新型コロナ。本県もだが沖縄県の1定点医療機関当たりの感染者数が増えてきている。人の動きが活発になる7〜8月にかけ感染者数は毎年増えており、過去の例を見ると沖縄が増えると九州や日本全体も増える傾向にある。数は少ないが大学病院に入院する重症患者も出てきており、感染者が増えると重症の患者も増える可能性がある。
−現在主流のコロナ変異株の特徴は。
世界で拡大傾向にあるオミクロン株の派生型が日本でも主流となっている。以前と同様に感染力が一定あり、感染し始めると一気に増える恐れがある。
−気がけてほしい点は。
重症化を防ぐのに効果的なのはワクチン接種。特に高齢者や基礎疾患のある人は積極的に接種してほしい。1回の接種で効果が続くのは半年ほど。インフルエンザと同じように考えて定期接種してもらえたら。
−家庭や職場などでの対策は。
あらためて強調したいのは「せきエチケット」。百日ぜきやリンゴ病も飛沫感染する。せきやくしゃみ、具合が悪い時はマスクを着用する。手指消毒など基本的な感染対策をいま一度実践してもらいたい。人が密集する屋内で、周りにせきやくしゃみをする人がいる場合は、マスクをして感染防御に努めてもらえたら。
