ドイツ連邦統計局が発表した5月の輸出は、前月比1.4%減だった。ブルームバーグがまとめた市場予想の同0.5%減を大きく下回った。トランプ米大統領による関税への懸念が影響したとみられ、対米輸出は3年以上ぶりの低水準に落ち込んだ。
4月の数値も1.6%減へと下方修正された。輸入も3.8%減少し、うち対米輸入は10%超の落ち込みとなった。経常黒字は、4月(改定値)の146億ユーロから184億ユーロに拡大した。
欧州連合(EU)は今週、米国との暫定的な貿易合意を目指しており、8月1日の期限以降も10%の関税率を維持しつつ、恒久的な合意に向けた交渉を進める方針だ。トランプ氏は7日、主要貿易相手に対して関税引き上げを警告する書簡の第一弾を公表したが、発動は少なくとも8月まで先送りされている。
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ドイツ経済は米国の関税の影響を受けやすく、自動車などの特定分野には現在も関税が課されている。ドイツ連邦銀行(中央銀行)のナーゲル総裁は、関税の影響でドイツ経済が景気後退に陥るリスクを警告している。
一方で、メルツ政権は防衛やインフラへの支出を大幅に拡大する計画を進めており、一定の楽観論も広がっている。
1-3月期(第1四半期)のドイツの国内総生産(GDP)は前期比0.4%増と予想を上回る伸びだったが、この勢いが持続可能な回復につながるかについては見方が分かれる。第1四半期の成長率は、企業や輸出業者が米国の関税発動を見越して出荷を前倒ししたことに加え、個人消費や投資も大きく伸びた。
7日に発表されたドイツの5月の鉱工業生産は予想外の増加となり、長年の停滞から経済が脱却するとの期待を支える材料となっている。
原題:German Exports Fall More Than Expected as US Shipments Sink(抜粋)
