ポーランドで1日実施された大統領選挙の決選投票で、愛国主義を掲げトランプ米大統領の支援を受けるカロル・ナブロツキ候補が、中道派でワルシャワ市長のラファウ・チャスコフスキ候補を抑えて勝利した。欧州連合(EU)重視の現政権にとっては打撃となる。

  選挙管理委員会が報告した全投票所のデータに基づき、ブルームバーグ・ニュースが集計した数値によれば、保守派の歴史学者で元ボクサーでもあるナブロツキ氏の得票率は50.9%。一方のチャスコフスキ氏は49.1%。

Poland Holds Presidential Runoff Election

ワルシャワの集会で登壇したナブロツキ氏(中央)と家族(6月1日)

Source: Getty Images Europe

  ナブロツキ氏は数カ月にわたる選挙戦を通じ、世論調査でチャスコフスキ氏が築いていたリードを着実に縮めて勝利した。

  今回の選挙は、EU加盟27カ国の中で最も急成長する経済の一つであり、NATO内でも有数の国防支出国であるポーランドが、引き続き信頼できるパートナーとしてとどまるかどうかを左右するとみられている。トランプ氏の関税政策や、東方からのロシアの脅威に直面する中で、EUにとっても重大な意味を持つ選挙となっている。

  また、トゥスク首相の政権運営にも大きく影響する。

  同氏率いる連立政権は2023年、8年間にわたり政権を握っていたナショナリスト勢力を退陣に追い込んだ。ナショナリスト政権は、法の支配を巡りEU当局の厳しい監視を受け、ポーランドが自由主義的な西側陣営にとどまる意思があるのか疑問を招いていた。

  ナブロツキ氏の当選により、ポーランドをEUの主流路線に戻して資金拠出の維持を目指すトゥスク氏の構想が危うくなる恐れがある。

  トゥスク氏の政策は、任期満了を迎える現職ドゥダ大統領によってこれまでたびたび阻まれてきた。ドゥダ氏が推すナブロツキ氏は支持者に、自身の勝利が権力を「独占する」トゥスク氏への抑止力になると指摘した。

  ポーランドでは移民、妊娠中絶、欧州統合といった問題を巡り、有権者の間で意見の対立が続いている。今回の僅差の結果は、人口3700万人の同国を覆う政治的分断を浮き彫りにした。

  ナブロツキ氏はホワイトハウスから支援を受けており、先月にはトランプ氏と大統領執務室で短時間会談した。先週ポーランドを訪問したノーム米国土安全保障長官氏は有権者に対し、トランプ氏との緊密な関係を維持するためナブロツキ氏に投票するよう呼びかけていた。

原題:Pro-Trump Nationalist Wins Poland’s Presidential Election (抜粋)

 

(選挙管理委員会のデータや背景などを追加して更新します。)

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