【写真を見る】ニュージーランドの世界遺産「トンガリロ国立公園」 先住民マオリが守った火山の自然美

そんなトンガリロは自然遺産と文化遺産、2つの価値が認められた複合遺産なのですが、今回の取材では一旦、マオリの文化を撮影できないというピンチに立たされました。しかし、ディレクターが現地でマオリと千載一遇の出会いを得てマオリの歴史や文化を取材することができたのです。そこには同じ火山大国で暮らす私たち日本人に通ずるものがありました。

■「火山が生んだ自然美」

トンガリロ国立公園があるのは、ニュージーランド北島の中央。3つ並んでいる火山とその周辺が世界遺産エリアになっています。今回は公園の名前にもなっているトンガリロ山を登りダイナミックな風景を撮影しました。

200万年前にできた火山は何度も噴火を繰り返し様々な景色を生んでいます。火山灰と火山岩が積もった一帯は別の惑星を訪れたような幻想的な景色です。山頂には壁が赤く染まった巨大なクレーターがあり立ち上る白煙が今も火山活動が続いていること教えてくれます。

その山頂から見下ろした場所には、この世のものとは思えないほど美しい火口湖がありました。その水は、火山性物質が溶けて宝石のような色になったといいます。このような火山地帯の景観が評価され、1990年、トンガリロ国立公園はまず自然遺産として登録されました。

■「先住民との偶然の出会い」

トンガリロは先住民マオリの聖地。その文化や暮らしを取材するためにある集落で撮影することになっていたのですが、取材日の直前、集落で不幸があり撮影ができなくなってしまったのです。

そして、取材を諦めかけていたディレクターがパブでビールを飲んでいた時でした。突然、マオリの初老の男性が近づいてきて「日本人かい?」と話しかけてきたのです。そのパブは外国人がほとんど来ない店だったので声をかけてきたのかもしれません。しかも運が良いことに男性はある集落の重鎮だったのです。またとないチャンスと思ったディレクターが取材の趣旨を説明すると、なんとその場で許可してくれたのです。マオリの多くは今も大切な話はメールでは不十分、顔と顔を突き合わせて話すべきだと考えていると言います。そういった意味でもパブでお酒を酌み交わしながら直接交渉できたことが功を奏したようです。

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