公開日時 2025年04月19日 14:45更新日時 2025年04月19日 15:44
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2016年8月の台風で被災した工場(岩泉ホールディングス提供)
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共同通信
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が「世界一」と絶賛した故郷・岩手の「岩泉ヨーグルト」。製造を手がける「岩泉ホールディングス」(岩手県岩泉町)は、赤字経営や、台風による工場全壊など厳しい困難を乗り越えてきた。山下欽也社長(68)は「世界一の選手を岩泉から全力で応援し続けたい。日本に帰ったらぜひ食べて」と熱いエールを送る。
大谷選手は2023年、インタビューで岩手の名物を聞かれ「一番のおすすめは岩泉ヨーグルトです。本当においしくて、僕は世界一だと思っています」と回答。テレビ番組などで紹介され、注文が殺到した。通販サイトでの売り上げは一時、約7倍にまで伸びた。
「本当にびっくりした。食べてくれていたんだ、と誇らしさもあった」。山下さんは振り返る。
そこまでの道は平たんではなかった。前身の「岩泉乳業」は04年設立。しかし競合社が多いため売り上げは振るわず、業績が伸び悩んだ。
転機は、山下さんが工場長だった08年。地元の新鮮な生乳と乳酸菌をアルミ袋に入れ、袋の中で発酵させる製法を日本で初めて取り入れたヨーグルトを発売した。低温・長時間発酵によるまろやかな味わいともちもちした食感で、たちまち人気商品に。09年の社長就任後、15年には約3億円の累積赤字を解消した。
しかし16年8月、岩手県に台風が上陸し、工場が全壊するなど甚大な被害に遭った。人気が出たヨーグルトをここで途絶えさせたくない―。県内外の取引先に足を運び「再開するから待ってほしい」と頭を下げて回った。約1年後、製造を再開させた。
現在はヨーグルトだけでなく、町内の観光名所・龍泉洞の水を使った炭酸水や、ジェラートなど地元素材を生かした商品も手がける。
「大谷選手が投打の二刀流でどんな活躍を見せてくれるか今から楽しみ。けがに気をつけて最高のパフォーマンスを発揮してほしい」と山下さん。「ヨーグルトをどこでも買えるような環境を整え、日本でお待ちしています」