世界の製造品のおよそ9割を輸送するコンテナ船が、中国と貿易戦争を繰り広げるトランプ米大統領の標的に上がっている。
米国の造船産業育成を目指すトランプ氏は、中国で建造された船舶、あるいは中国の海運会社が運航する船舶が米国の港湾に入港するたびに、少なくとも100万ドル(約1億4300万円)の料金を課すことを検討している。実際に導入されれば、海運大手のコストが増えるのはほぼ確実だ。
ノルウェー・オスロに拠点を置く海運分析プラットフォーム、ゼネタのチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は、運航中および建造中の船舶は中国製が多く、主要海運会社はいずれも高額な港湾使用料の対象となる可能性があると指摘する。
「何らかの調整が加えられるだろうが、最終的に入港料が課されることになると予想している」とサンド氏。「海運会社はネットワークの大幅再編を迫られており、それには当然ながらコストが伴う」と述べた。

中国の海運会社は保有する船舶のほぼ全てが自国で建造されており、最も厳しい立場にある。だが、世界有数の海運会社MSCとAPモラー・マースクも課題に直面している。
調査会社アルファライナーのデータによると、両社が保有する船隊うち、中国で建造された船舶は約4分の1を占める。だが、新造船の発注先は大きく中国に偏っており、MSCの発注リストの90%以上、マースクでも70%以上が中国で建造される予定だ。
入港料導入のリスクにもかかわらず、各社は中国への発注を継続している。
アルファライナーによると、海運会社は中国造船企業への発注をやめていない。MSC、CMA CGM、エバーグリーンは2月と3月に中国で超大型コンテナ船を発注しているという。
中国船への入港規制が最終的にどのような形になるのか見えない中、複数の海運会社はすでに中国製の船舶を米国向け航路から外すなどの再配置に着手している。寄港回数を減らすことで入港料の回避を図る可能性もあり、そうなれば混雑や運賃上昇のリスクが高まると前出のサンド氏は述べている。
原題:Trump’s China Ship Fees Set to Hit Global Shipping Giants(抜粋)
