欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2日、欧州連合(EU)の意思決定方法の抜本的な改革を求め、競争力を高めるために多数決を導入すべきだと提案した。
ラガルド氏はダブリンでのスピーチで「経済規模が拡大するに連れ、それに合わせて意思決定の規模も拡大する必要がある」と指摘。「われわれの立場を維持するためには、幾つかの重要な分野において単一の組織として行動できる必要がある。つまり、意思決定の方法を構造的に変える必要があるということだ」と論じた。
ラガルド氏は、一つの国が拒否権を行使することで他の26カ国の共同利益が損なわれかねないと強調した。
「現在進行中の地政学的な変化を考慮すると、国家と欧州の利益がこれほど一致したことはかつてないと確信している」と述べ、「この逆転した世界では、特定多数決の方が本来の民主主義に近づくだろう」と主張した。

ラガルドECB総裁
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単独国が持つ拒否権はEUにとって長年の問題で、特にロシアによるウクライナ侵攻以降、ハンガリーのオルバン首相が繰り返し拒否権を行使している。このためEUが世界的な問題について統一見解を打ち出すことが難しくなり、コンセンサスに基づく政策決定というEUのアプローチの限界が試されている。
元フランス財務相で国際通貨基金(IMF)のトップも務めたラガルド氏は、EUが現在の世界的不安定をより大きな自主性を確立する好機として活用するよう繰り返し呼び掛けている。
原題:Lagarde Says EU Must Embrace Majority Voting Over Veto Power(抜粋)
