世界最大の小売企業、米ウォルマートはトランプ米大統領の関税による影響相殺に向け中国のサプライヤーに引き続き値下げを迫っている。同社幹部が先月、この件について中国当局から呼び出しを受け協議したが、状況に変化は見られない。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同社は関税が課されるごとにサプライヤーに最大10%の値下げを要求することをやめず、トランプ氏の関税の肩代わりを事実上、求めているという。関係者が情報の非公開を理由に匿名で語った。
ウォルマートは中国当局から呼び出されたほか、中国から報復を受ける可能性も政府系ソーシャルメディアから指摘された。それでもウォルマートが態度を崩さないのは、国内景気減速にトランプ氏の関税が逆風に加わる中、中国企業が苦境にあるためだ。
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同社とサプライヤーの交渉は珍しくないが、足元の交渉は米企業が追加コストを相殺するためにどこまで協議するかを浮き彫りにしている。トランプ氏が今週、主要貿易相手国に対する新たな相殺関税を発表すれば、こうした傾向はさらに深まる見通しだ。トランプ政権は既に中国からの輸入品に20%の一律追加関税をかけている。
事情に詳しい関係者によると、ウォルマートとサプライヤーの交渉は、原産国ではなく製品カテゴリーごとに実施されている。
ウォルマートの広報担当者は、サプライヤーとの協議は低価格での商品提供が狙いで、最善の道を探るため緊密に連携していくと述べた。
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だが関係者によれば、一部の中国メーカーは、関税が課されるたびに最大10%の値下げを求めるウォルマートの要求には応えるのは難しいと感じている。価格交渉の性質や段階はサプライヤーによって異なる。
ウォルマートとの厳しい交渉を見れば、中国の輸出業者が当面、厳しい状況に直面することがうかがえる。米顧客との長期的関係とそれら企業の収益性の両方を維持するため、カンボジアやベトナムなどアジアの他地域に製造拠点を移管する検討に入ったと話す中国の工場経営者もいる。
原題:Walmart Keeps Price Pressure on Suppliers After Beijing Pushback(抜粋)
