ジャックダニエルのボトル今、関税の話題の中心となるのは、アメリカ産ウィスキーとヨーロッパ産ワインだ。Gettyアメリカのウイスキーからフランスのシャンパンまで、酒がトランプ大統領の貿易戦争の要因になっている。アメリカがEUと合意しない限り、今後数週間でどちらも関税の対象となる。ワインショップからレストランまで、企業はすでに起こり得る関税に反応を見せている。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は酒を飲まないかもしれないが、大統領による貿易戦争が世界で人気のアルコール飲料の市場を揺るがせ、混乱を巻き起こしている。

2025年3月12日、欧州連合(EU)は、アメリカのアルミニウムと鉄鋼への関税に対抗して、4月1日からアメリカ産の主要なアルコール飲料のひとつであるウイスキーなどに50%の関税を課すと発表した。

翌日、トランプ大統領はフランスのシャンパンなど、EUのワインと酒に200%の関税を課すと警告した。この関税がいつから行われるのか、あるいは関税自体が発効されるか不明だが、アメリカではすぐに反応が起きている。

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例えば、ヨーロッパ産のワインを買いだめしたい顧客に向けて、プロモーションを行うワインショップもある。ニューヨークのある店では、常連客に「関税回避」のお買い得品を勧めるメールを送信している。

ニューヨークのマンハッタンでイタリア・クロアチア料理店「Villa Berulia」を運営する、アレクサンドラ・イバナック(Alexandra Ivanac)と夫のステファン・バレーラ(Stephen Varela)は、トランプの脅威は「憂慮すべき」だと話している。同店では約75種類のヨーロッパ産ワインを取り揃え、多くの料理より2.5倍から3倍近い金額で提供している。

「イタリアンレストランは、どうやってヨーロッパワインから方向転換すればいいのだろうか」とバレーラは語った。

マンハッタンにあるレストラン「Villa Berulia」のバーカウンター「Villa Berulia」のオーナー夫婦は、EU以外の国からワインを取り寄せることを検討している。Villa Berulia

そして彼らにとって問題なのは、コストを店が吸収するのか、客へ転嫁するのかどうかだ。関税が発効されれば、イバナックは南米、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、さらにカリフォルニアワインに目を向けるかもしれないと語っている。彼女はまた、通常の2倍のワインを注文して地下に保管しておくかもしれないと語った。

「それらのワインの中は200ドルから300ドルで売られている高額なものもあり、我々はそこからさらにどれだけ価格を上げられるだろうか」とバレーラは話し、経済的な懸念から消費に慎重になっている顧客もいると付け加えた。

EUの統計局、Eurostatによると、アメリカはEUのワインとスピリッツの輸出先として31%を占めている。一方、アメリカの蒸留酒協議会(DISCUS)によると、2023年のアメリカのスピリッツの輸出市場の約40%をEUが占めていた。

アメリカのワインメーカーにとっては、関税の脅威はチャンスになるかもしれない。

ニューヨークを拠点とする「Une Femme Wines」の共同創業者であるザック・ペルカ(Zach Pelka)は、コロナ禍によって海外の調達が複雑で高額になったため、サプライチェーンを完全にアメリカ国内で完結するようにしたと語った。

彼は、トランプ大統領の言う200%の関税が課せられたら、アメリカ拠点の酒ブランドは国内でより注目されるようになると予測していると語った。

ベルカは、もし関税の脅威が現実になったら、アメリカ国内で安定したワイン供給を求めるレストラン、小売店、ホテル、顧客にとって、「Une Femme」がさらに魅力的な選択肢になると期待している。

「今日の時点では、バイヤーに対するセールスの材料になる」と、彼は関税の可能性について語った。

関税の話題によって、すでに他国の顧客はアメリカから輸入する代わりに地元のサプライヤーから購入するようになっている。カナダ人の多くは、トランプ政権が同国の製品に課税すると脅し、実際に課税したことを受け、「メード・イン・カナダ」の代替品を求めている。

関税の一部あるいは全部が具体化するかどうかは、まだわからない。先日、トランプ大統領はカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、その後すぐに、多くの物品について発効を4月2日まで一時停止した。

仮に関税が課されたとしても、すぐに価格が上昇することはないかもしれない。

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