
2025/03/23 10:48 ウェザーニュース
この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べるとほぼ同じ水準です。熊本周辺と能登半島周辺で地震が目立ちました。震度3以上の地震は4回発生しています。(3月17日〜23日10時の集計)
国内:熊本県熊本地方でM4.8 震度4の揺れに

熊本県熊本地方の地震
18日(火)5時00分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード4.8、深さ10kmと推定される地震が発生しました。この地震で熊本県八代市、上天草市、芦北町で最大震度4、熊本県の広い範囲や長崎県、宮崎県、鹿児島県の一部で震度3の揺れを観測しています。
当日の段階では熊本県天草・芦北地方を震源としていましたが、その後の精査で熊本地方に変更されました。また、震度5弱程度の揺れの可能性があったことから緊急地震速報(警報)が発表されています。
熊本県熊本地方を震源とする震度4以上の地震は昨年5月以来です。この地震の発生後、ほぼ同じ震源で4回の有感地震が発生しています。
今回の震源は2016年の熊本地震で一部が動いたとみられる日奈久断層付近です。政府の地震調査研究推進本部は、日奈久断層を3つに分けた真ん中の領域である日奈久区間で30年以内にマグニチュード7.5程度の地震が発生する確率を最大6%、最も南の八代海区間では最大16%としています。
陸域の浅い地震であるため、発生した場合は強い揺れに見舞われることになります。日頃からの備えが欠かせません。
21日(火)頃から地震が増加
今回の地震が発生した領域では21日(火)頃から地震が増えていて、22日(水)6時過ぎにはマグニチュード3.3、最大震度3の地震が発生しました。
マグニチュード5.2の地震の発生後は活動が活発になり、23日(木)だけで有感地震は43回を数え、震度3以上の地震は26日(日)10時までに6回起きています。(震度5弱の地震はのぞく)
今回の震源の西には火山である燧ヶ岳(ひうちがたけ)がありますが、火山活動との関連性を示すようなデータは現時点で得られていません。震度1未満の地震を含めた発生回数の推移を見ても、一般的な本震ー余震の経過を辿っています。
地震活動は徐々に落ち着いているものの、震源が5km前後と浅いため規模が小さい地震でも震央に近い檜枝岐村では揺れが大きくなります。積雪の多い地域ですので、地震が続くことによる雪崩の発生にも注意をしてください。
南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意の発表はなし
速報の段階ではマグニチュードが6.9と解析されて南海トラフ地震臨時情報の検討基準に達したため、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開催し、南海トラフ巨大地震との関連があるかの調査が行われました。
解析の結果、地震の規模をより正確に把握できるモーメントマグニチュードは6.7に留まり、「巨大地震注意」の発表目安となる7.0に満たないことから、調査終了となっています。
ただ、政府の地震調査研究推進本部は南海トラフ巨大地震の今後30年の発生確率を、「70〜80%」から「80%程度」に評価を改めました。昨年8月や今回の日向灘地震の発生とは関係がなく、時間の経過に伴って確率が増加したことを反映したものです。
いずれにせよ南海トラフ巨大地震の発生リスクは高い状態が続いていると考えられ、日頃からの備えは欠かせません。
国内:石川県能登半島沖でM4.7 最大震度は4

能登半島沖の地震
19日(水)13時25分頃、能登半島沖を震源とするマグニチュード4.7、深さ6kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県志賀町で最大震度4、羽咋市、かほく市、宝達志水町、中能登町で震度3の揺れを観測しています。
昨年1月に発生した能登半島地震の震源域で震度4以上の地震が発生するのは昨年6月3日以来、約9ヶ月ぶりです。
昨年11月以降は石川県西方沖での地震活動が活発になっていましたが、今月15日(土)頃からは今回の震源付近で地震の回数が増え、20日(木)にはマグニチュード3.3、最大震度3の地震が起きています。21日(金)以降は活動が低調になっているものの、今後の動向には少し注意が必要です。
世界:中米・パナマ付近でM6.2の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きな地震は中米パナマ沖とアリューシャン列島で発生したマグニチュード6.2です。この2つの地震は3分ほどの間隔で起きています。
日本時間の21日(金)深夜に中米・パナマ沖を震源とするマグニチュード6.2、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。震源が陸地から少し離れていたため、強い揺れによる影響は出ていません。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
中米は西側のココスプレートと東側のカリブプレートの境界で発生する、プレートの沈み込みによる逆断層型の地震が頻繁に発生しています。ただ、今回の震源は南に位置するナスカプレートとの境界に近く、メカニズムからトランスフォーム断層に伴うタイプとみられます。
マグニチュード6クラスは頻繁に発生しているものの、中米の沖合を震源とする地震としては津波が起きにくい領域です。
世界:ギリシャ・エーゲ海の地震活動は継続
ギリシャのサントリーニ島近海の活発な地震活動は依然として続いています。マグニチュード5以上の地震は日本時間の12日(水)の夕方を最後に起きていないものの、マグニチュード4前後の地震は多い状況です。
また、震源域が南西に拡大し、サントリーニ島に近い所を震源とする地震も起きていて、地震活動の監視が続けられています。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
参考資料など