トランプ米政権は投資や貿易などの問題について、中国を標的にした一連の措置を打ち出しており、両国の関係が急速に悪化するリスクが高まっている。
トランプ大統領は21日、国家安全保障に関する大統領覚書で、テクノロジーやエネルギーなど米国の重要セクターへの中国投資を制限するよう対米外国投資委員会(CFIUS)に指示。同時にメキシコ政府高官に対し、中国からの輸入品に独自の関税を課すよう求めた。政権1期目当時に、中国企業が関税賦課を回避するためにメキシコに生産拠点を移したことを受けた措置だ。
米国はまた、商船生産で優位に立つ中国に対抗するため、物資輸送に使われる同国製船舶に利用料を課す案を示した。
これらを合わせると、トランプ大統領が2期目の政権で打ち出した対中政策で、最も包括的かつ強力な措置となる。トランプ氏は米国の対中貿易赤字削減のため、同国との新たな貿易合意の取りまとめに意欲を示唆しているものの、そうした取り組みにも影響を及ぼすと考えられる。
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国家安全保障に関する覚書では、中国政府を「外国の敵対勢力」とし、「テクノロジーや食料供給、農地、鉱物、天然資源、港湾、および海運ターミナルといった米国の貴重な財産」を守るためには一連の変更が必要だとの見解が示された。
さらに、米政府は個人・企業への二重課税の回避を目的に中国との間で1984年に結んだ租税条約のほか、中国企業が米国の取引所に上場する際に使用する「変動持ち分事業体(VIE)」と呼ばれる仕組みについても見直すべきだとしている。
一方、中国政府は米政府に対し、経済・貿易問題を政治化・武器化しないよう呼びかけた。中国商務省は、米政府が国家安全保障上の理由からビジネス関係の審査強化を推し進めれば、米国に投資する中国企業の信頼を著しく損なうことになると警告した。
中国勢による北米投資は昨年10-12月(第4四半期)に前年同期比で90%余り減少し、新型コロナウイルス禍の最悪期を下回る水準となった。トランプ氏の米大統領選勝利を見極めようと企業が様子見姿勢を取ったことが一段の悪化を招いた公算が大きい。
原題:Trump Targets China With Biggest Salvo So Far in Second Term(抜粋)
