焼きたてのプレッツェルを取り出すサイラーさんパン職人 アドルフ・サイラーさん
オーストリアのパンと菓子を製造・販売する「サイラー」(福岡市南区長丘)。店主のアドルフ・サイラーさん(60)が焼きたての郷里のパン「プレッツェル」を窯から取り出すと、香ばしい香りが
厨房(ちゅうぼう)
に漂った。皇帝の冠を模したとされるカイザーセンメル、17世紀にウィーンで生まれたと伝えられるキップフェル――。オーストリアの伝統的なパンが並ぶ店内は、母国のデザイナーに設計を依頼し、故郷の田舎町にある昔ながらの店舗をイメージした造りとなっている。
オーストリアで、パンとケーキを作る老舗店の長男として生まれた。3代目の父親のもと幼少期から配達などを手伝い、専門学校で4年間、製パンや製菓について学んだ。同国には徴兵制があり、19歳の時には鉄砲の使い方を学ぶ訓練も受けた。 外国への憧れを抱き始めたのはこの頃だった。ちょうど、福岡市の老舗菓子メーカーが日本で働く職人を探していて、知人を通じて声がかかった。日本のことは「カミカゼ」「ゲイシャ」などの単語しか知らなかったが、軽い気持ちから「行ってみよう」と決めた。 初来日は1984年。何となく訪れた福岡市の街だったが、すぐに魅了された。海にも山にも近く、食べ物がおいしい。焼きそばや焼きめしなど「焼き」がつく料理を好み、焼き鳥が大好物になった。住み始めてからは、みんながサッカーや野球の地元チームを応援し、スポーツが盛り上がっているところも気に入った。 1 2
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