大久保小前で取材に応じ、「いのちの大切さを伝えたい」と語る小林さん(7日、長崎県佐世保市で)=坂口祐治撮影大久保小前で取材に応じ、「いのちの大切さを伝えたい」と語る小林さん(7日、長崎県佐世保市で)=坂口祐治撮影 2004年に長崎県佐世保市で小学6年女児が同級生に殺害された事件から6月1日で20年となる。市教育委員会の担当者として発生直後に学校に駆けつけ、後に校長を務めた同市の小林庸輔さん(66)は、時の流れによる風化を防ぐため、事件から得た教訓を書き残そうと本を執筆した。「明日を生きる子どもたちにいのちの大切さを伝えたい」。そんな思いで、当事者として受けた衝撃や心痛も余さずつづった。(小松一郎)

赤いランドセル 「校舎を見ると、身が引き締まる思いがします」 7日、出版を前に取材に応じた小林さんは、様々な思いが詰まった市立大久保小を見つめた。 本の序盤は、市教委で女児の死を知らされ、大久保小に派遣された際の物々しい場面を描いた。 多くの警察官が立つ正門の規制線をくぐって校長室へ向かうと、中から1人の女児が出てきた。表情は平然としていた。後に、警察から事情聴取されていた加害者と知り、「驚きを隠せなかった」。 校長と短く話した後、現場の「学習ルーム」へ向かったが、警察から現場検証中と言われ、入れなかった。しばらくして、被害者の女児(当時12歳)がシートに包まれ、丁寧に運ばれる様子を目にし、思わず手を合わせた。 1 2 3

Share.