参列者ら 「過ごした時間 宝物」 タンタン、24年間ありがとう――。神戸市立王子動物園(灘区)でジャイアントパンダ「タンタン」(雌)の追悼式が行われた10日、多くのファンらが花を手向け、阪神大震災の被災地を勇気づけた「神戸のお嬢様」との別れを惜しんだ。追悼式で献花する参列者ら(神戸市灘区で)=宇那木健一撮影追悼式で献花する参列者ら(神戸市灘区で)=宇那木健一撮影

王子動物園で追悼式 式では、約4分半のタンタンの生涯を振り返るメモリアルムービーが初披露された。「まだ震災の爪痕が残る街に、あなたはやってきてくれた」「神戸の街の人たちを光で照らす、まさに太陽のような存在だったよ」などのメッセージとともに、好物のタケノコを食べたり、タイヤで遊んだりする姿が映し出された。 その後、飼育員の吉田憲一さんが「(心臓病の)治療も頑張ってくれたので、長生きできるパンダが増えると思う。これからはゆっくりと空の上から見ていて」などと思い出を振り返り、地元の青谷愛児園の園児らが「かわいい姿を見せてくれてありがとう。天国でもたくさん遊んでね」と声を合わせると、涙をぬぐうファンの姿も見られた。 動物園によると、定員100人だった追悼式の参列者の募集には、約40倍となる約4000人の応募があったという。この日も、参列できなかった多くのファンが、タンタンが暮らしていたパンダ館を訪れ、手を合わせていた。 タンタンのペンダントをつけていた神戸市西区の会社員尾崎真由美さん(60)は、「被災者はそれぞれつらい思いを抱えているが、タンタンが来た時、並んでいた人が笑顔で、これで街が元気になれるかなと思えた。タンタンと過ごした時間は宝物。ずっと忘れない」と話していた。タンタンに思いはせて11日から特別展 ケージやタイヤなど120点超 王子動物園では今後も追悼企画を続ける。11日からは、園内にある動物科学資料館で特別展「ありがとうタンタン」を開催する。9月1日まで。 会場には120点超を展示。生前の写真や来園時に使われたケージ、20歳の誕生日にファンから贈られた寄せ書きなどが飾られている。担当者は「かんだ跡があるタイヤなどゆかりの品々や、歴代飼育員のメッセージを見て、タンタンに思いをはせてもらえれば」としている。 また、メッセージカードの記入コーナーを11日から設置するほか、特設サイト(https://arigato-tantan.jp/)では、追悼式の録画映像を配信する予定。

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