第7局観戦記(前編)はこちら>>第8譜…敗着
◇白 挑戦者 井山裕太(3勝3敗)×黒 棋聖 一力遼(3勝3敗)

(コミ6目半)

114~125

持ち時間 各8時間(白4・10分 黒3・50分)
黒19コウ取る(16の上)黒19コウ取る(16の上)

 「白14が結果的に敗着になったと思います」と解説の蘇耀国九段は語る。つまり、この後は白にチャンスがなかったということだ。敗着が1日目の着手に存在するということは、非常にまれなことではある。 実戦は黒15とはじき、コウを争う展開になった。ただ、黒は周囲にソバコウが多く、白がコウに勝つのは容易ではない。 白14では参考図白1が良かった。黒2のハネには受けず、白3と黒を取りに行く手が成立する。黒からは右上白の一団を仕留める手段がなく、黒4、6と中で策動するよりない。この後、白7、9で左辺黒を仕留め、黒は8と左上を制するフリカワリとなるのが最善の分かれとなる。 「このフリカワリなら、どちらかというと白持ちの形勢でした」と蘇九段。 コウダテが少ない白は、黒19にいったん白20とつなぐよりない。黒25と抱えて左下白の一団の眼形もなくなってきた。 ここで午後5時半を迎え、井山が封じる意思を示し1日目が終了。第6局に続き棋聖戦封じ手最長手数記録を塗り替えた。(村上深)一力棋聖(中央奥)が見守る前で、封じ手の入った封筒を立会人の王銘琬九段に手渡す井山王座=若杉和希撮影一力棋聖(中央奥)が見守る前で、封じ手の入った封筒を立会人の王銘エン九段に手渡す井山王座=若杉和希撮影第9譜…大石死なず
◇白 挑戦者 井山裕太(3勝3敗)×黒 棋聖 一力遼(3勝3敗)

(コミ6目半)

126~147

持ち時間 各8時間(白5・14分 黒5・26分)
 1日目が終了した時点での状況を整理しよう。左辺で黒の大石の死活を懸けたコウ争いが続いている。ただ、黒からはソバコウが多く、白がコウに勝つことは見込めない。そうなると、中央と左下の白がどちらも眼形がなく、攻められそうだ。 封じ手は白26のコスミ。中央白をくつろげ、長期戦を目指す。一力は黒27と押さえ、左辺黒の一団は生きを確定させる。白28と中央黒に迫るも、黒29で取られることはない。11(4)11(4) 白26で参考図、白1とコウを抜くと、一例だが黒2がコウダテとなる。白3とコウを解消すると、黒4から攻め合いに持ち込まれ、黒26まで黒の攻め合い一手勝ちだ。長手数にはなるが、変化の余地が少なくほぼ一本道だ。 白36が左辺黒に利いており、白44と切ることができた。次に黒Aと打てば左下はコウだ。一力は黒45と備え、白46に黒47と中央を連打した。(村上深)対局2日目の朝、関係者が見守る中で1日目の手が盤上で再現された対局2日目の朝、関係者が見守る中で1日目の手が盤上で再現された
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