民間有識者らでつくる「人口戦略会議」が4月24日に公表した報告書で、兵庫県内の自治体では13市町が将来的に「消滅可能性自治体」になると分類された。2014年に「日本創成会議」が行った同様の調査からは改善が見られ、県内41市町の約3分の1にとどまった形だが、県の担当者は「楽観視できない」と話す。県や各市町は、人口減対策や子育て世帯への支援策を一層進める考えだ。
兵庫県 報告書は、出産の中心世代である20~39歳の女性人口について、20~50年の減少率を推計。50%以上減少する自治体を最終的には消滅する可能性が高い「消滅可能性自治体」としている。最も減少率が高かったのは新温泉町(71・8%)で、多可町(70・8%)、佐用町(同)が続いた。
10年前の同様の調査と比較すると、今回の調査では西脇市が新たに消滅可能性自治体に分類された一方、相生、三木、丹波篠山、丹波、南あわじ、淡路、稲美、福崎の6市2町は外れた。◇ 新温泉町は、若い世代の減少に歯止めがかからず、年間の婚姻件数は十数件にとどまっているという。新婚世帯などへの民間賃貸住宅の家賃補助や住宅取得助成金のほか、妊娠・出産時の応援交付金など町独自の制度を設け、若者、子育て支援に力を注ぐ。西村銀三町長は「改めて人口減対策のプロジェクトチームを作るよう指示している。子どもを産みやすい環境整備とともに、女性が起業しやすいような支援制度にも力を入れたい」と話す。 多可町は14年の調査で消滅可能性都市に分類されて危機感を強め、定住推進課を発足。子育て支援などに重点的に取り組んでいる。吉田一四町長は「町を出て行った女性が戻ってくる『ふるさと教育』に力を入れたい」と語った。 今回の調査では、多可町を含む北播磨地域は6市町のうち、3市町が消滅する可能性があると分類された。西脇市の片山象三市長は、「近隣市町と人口を奪い合うのではなく、地域全体でトータルに魅力をアップさせる必要を感じる」との認識を示す。 淡路島の3市で唯一、消滅可能性自治体に分類された洲本市。子どもを産み、育てる環境整備に取り組み、今年度から小児科や産婦人科を新規開設する医師または医療法人に、費用の一部を助成する事業を始めた。今月には市内にレディースクリニックが開業予定で、上崎勝規市長は「産婦人科、小児科に力を入れる。必要なものとして、期待している」と強調する。◇ 各市町だけでなく、県も若者や子育て支援などに注力する。今年度一般会計当初予算で「若者・Z世代応援パッケージ」と銘打ち、県立大の授業料無償化や、県内中小企業などの正社員を対象とした奨学金返済支援制度の拡充、不妊治療費の支援など、将来世代への支援、投資に計約90億円を充てた。 斎藤知事は4月26日の定例記者会見で、「各自治体にとってはショックな話だが、悲観的になる必要はない」とした上で、「若い世代の個の力を伸ばす政策に重点を置き、生まれ育ったふるさとに定住してもらえるような、魅力ある兵庫にしていきたい」と話した。
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