28日に投開票された衆院長崎3区補欠選挙は、立憲民主党前議員の山田勝彦さん(44)(社民党推薦)が、日本維新の会新人で学習塾経営の井上翔一朗さん(40)(教育無償化を実現する会推薦)を破った。自民党の候補者不在の中、同党派閥の政治資金規正法違反事件を「金権政治」と批判する一方、次期衆院選に向けて「政権交代」を訴え、支持を広げた。

与野党が議論交わす本来の政治を 政治資金規正法違反事件で有罪が確定した谷川弥一氏(自民を離党)の議員辞職を受けて行われた今回の補選。山田さんは「金権政治から国民の声で動く『まっとうな政治』へ」と繰り返し、「政治とカネ」を巡って厳しい世論にアピールした。読売新聞が投票を終えた有権者を対象に実施した出口調査では、山田さんは無党派層の6割近くに浸透した。 一方、投票率は35・45%と前回(60・93%)を25・48ポイント下回り、低調だった。 「自分たちの手で政治を変えられると思ってもらえるかどうか。補選がバロメーターだ」。立民幹部は告示前、こう語っていたが、有権者の関心を高められなかったのは、政権交代を目指す同党にとって課題が残ったといえるだろう。 擁立を見送った自民党県連からは焦りがにじみ出る。ある県連幹部は「野党に流れた自民票は戻ってこないのではないか」と、次期衆院選への危機感を募らせる。 選挙区内は、人口の減少、物価高に伴う経済の衰退も懸念され、課題は山積している。「政治とカネ」の問題に終止符を打ち、与野党が議論を交わして政策を推進する本来の政治を一日も早く取り戻すべきだ。(丸山一樹)

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