スクーデリア・フェラーリが、2026年F1第13戦イタリアGPで今季2回目となるパワーユニット(PU)のアップグレードを投入する方針を固めたようだ。改良の目玉とされるのはターボチャージャーで、内燃エンジン(ICE)との統合を見直し、PU全体の効率を引き上げる。
イタリアのモータースポーツ専門サイト『AutoRacer』は、追加開発・アップグレード機会制度(ADUO)を利用した第2弾となる新型PUの投入に向けた準備が整ったと報じた。イギリスの専門誌『Autosport』も、スクーデリアが信頼性確認を終えた新スペックを投入すると伝えた。
15馬力増とトルク特性変更を目指す「ADUO 2」
フェラーリはADUOの第1回評価において、指標エンジンに指定されたレッドブル製ICEに対して4%以上の遅れがあると判定され、2026年と2027年にそれぞれ2回のアップグレードが認められた。今季最初の改良は第9戦オーストリアGPで投入しており、今回はその第2弾となる。
第1弾では、特殊鋼を使用したシリンダーヘッドの投入により、燃焼室をより高温で作動させる方向に開発を進めた。これに対して第2弾仕様では、ターボチャージャーにも本格的に手を入れ、ICEとターボの統合および、シェルの新燃料によって約15馬力の出力向上を見込んでいるとされる。さらに、電動エネルギーをより適切に配分できるよう、トルク特性の変更も狙っているという。
ターボについては6月の段階で、インペラー(羽根車)の直径を維持しつつ、そのインペラーを構成するブレードの枚数と角度を変更し、材質にも改良を加える計画が報じられていた。フェラーリは2026年型PUで意図的に小型のターボを採用しており、この基本思想は今回のアップグレードでも維持されるものとみられている。
問われる空力戦略、新型マカレナ投入の一方…
F1カレンダー屈指の高速サーキットであるモンツァは、2026年の新世代マシンにとって、エネルギーマネジメントの観点から第10戦ベルギーGP以来の試練となることが予想される。
強烈なブレーキングによってエネルギーを回生できるポイントが限られる一方、1周の大部分でフルパワーが要求されるため、バッテリー不足が再び大きな課題となる見通しだ。
さらにモンツァでは、空力効率も非常に重要な鍵となる。ドラッグを減らせばストレートで速度を維持するために必要なエネルギーが減り、その分だけ電動側の負担も軽くなる。空力パッケージの選択は、ダウンフォースとドラッグ量を決めるだけでなく、1周を通じたエネルギーマネジメントをも左右する。
フェラーリの新型PUは、この点で効果を発揮するとみられている。エネルギー変換と利用効率の改善は、モンツァにおいて他のサーキット以上に重要となる可能性がある。
また、空力効率をより高めた新仕様の「マカレナ」リアウイングも投入するとみられている。一方で、SF-26の大きな特徴であるブロウン・エキゾーストを取り外す可能性も取り沙汰されている。
これは、エキゾーストパイプの出口直後、ディフューザー上面付近に配置された長方形状のウイングレットで、排気流をリアウイングのメインプレーン下面へと導くことでダウンフォースを増加させるデバイスだ。
ブロウン・エキゾーストは空力面でメリットをもたらす可能性があるが、モンツァは極端な低ドラッグが求められる特殊なサーキットであり、フェラーリはフリー走行1回目で比較検証作業を行い、使用の是非を見極める方針と見られている。
