今年4月22日、韓国カトリック司教協議会が『韓国カトリック教会統計2025』を刊行した。同協議会では、韓国に居住するカトリック信者および諸機関の現況などを把握するため、毎年12月31日時点の統計調査を実施しているが、今回の調査では、韓国のカトリック信者数が史上初めて600万人を突破したことが明らかとなった。これは韓国の総人口の11.4%に当たる。

 1955年には総人口の1%にすぎない19万人であった信者数は、1975年に100万人、2008年に500万人を超え、今回さらに新たな節目を迎えた。しかし、「史上初の600万人」という記録にもかかわらず、カトリック内部では、今回の調査結果から「希望」よりもむしろ「危機」を読み取っているようである。

 「カトリック平和放送」(CPBC)は、統計を分析した4月29日付の記事において、軍隊を対象とした教区である軍宗教区を除いた信者数が初めて減少傾向に入ったこと、信者の高齢化指数(14歳以下100人に対する65歳以上人口の比率)が814.7に達し、韓国全体における同様の指数の4倍を超えていること、小・中・高校生層が2019年比でそれぞれ34.6%、19.0%、18.8%減少したこと、新たに叙階された教区所属の司祭が70人にとどまり、2015年比で42.1%減少したこと、そして神学生数も854人となり、2015年比で41.9%減少したことなどを指摘している。

韓国カトリックの信者数および増加率(2015〜25年) 出典:韓国カトリック司教協議会の報道資料(2026年4月22日)

 また、カトリック系の新聞『カトリックニュース・チグムヨギ』は5月2日付の記事で、今回の統計のうち、「主日のミサ平均参加率15.5%」という項目に注目し、600万人という数字の虚構性を指摘している。すなわち、600万人のうち約25%は死亡あるいは事実上教会を離れた者たちであると見るべきであり、さらに約半数近くは教籍上に名前があるだけで、実際には信者としての活動を行っていないと分析している。さらには、新たな信者の3分の2は信者家庭の出身であり、残る3分の1の中にもプロテスタントから移ってきた人々が少なからず含まれていることから、非信者が新たに信者となった割合は低いとしている。

 しかし、プロテスタントの信徒の立場から見るならば、今回の調査結果は、必ずしも「危機」としてのみ映るわけではない。韓国の宗教人口が全体的に減少していることは周知の事実である。韓国統計庁の宗教人口調査を見ると、「無宗教者」は2005年には47.1%であったが、2015年には56.1%と増加しており、脱宗教化が急速に進行している。そうした中にあっても、カトリックは今なお増加傾向を維持しているのである。

 韓国リサーチ社は2020年以来、韓国の4大宗教(プロテスタント、カトリック、仏教、円仏教)に対する国民好感度調査を毎年実施しているが、最新の調査によれば、仏教が54.4点で前年より3.1ポイント上昇しての1位であり、カトリックは52.7点で前年より4.1ポイント上昇したものの2位となった。一方、プロテスタントは前年より0.9ポイント下げての34.7点となり、3位にとどまった。好感度が下落している宗教は、調査対象の中ではプロテスタントだけであった。その原因としては、保守派プロテスタント団体が尹錫悦前大統領による戒厳を擁護し、弾劾反対集会を継続して行ったことが上げられている。戒厳反対および弾劾賛成集会に積極的に参加した多くの進歩派のプロテスタント信徒たちにとっては、この調査結果は理不尽なものと感じられたことであろう。

 先に触れた韓国統計庁の宗教人口調査は10年ごとに実施されており、2025年度の調査結果は、今年の半ば頃に公表されるものと見られている。好感度が唯一低下しているプロテスタントが今回は果たしてどのような結果を受け取ることになるのか、また、カトリック教会独自の調査と統計庁による調査との間にどのような違いが現れるのか注目したい。

李 惠源
 い・へうぉん 延世大学研究教授。延世大学神学科・国語国文学科卒業、香港中文大学大学院修士課程、延世大学大学院および復旦大学大学院博士課程修了。博士(神学、歴史学)。著書に『義和団と韓国キリスト教』(大韓基督教書会)。大阪在住。

Share.