光ファイバーで制御されるウクライナのFPVドローン。敵の妨害電波の影響を受けずに飛行できる(写真:Mykhaylo Palinchak/SOPA IMAGES via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

 ウクライナ前線で起こっている小型ドローンによる戦闘。ここで恐ろしいことの一つは、明確な防御策が確立されていないことだ。特に大きな脅威となっているのが、自爆型FPVドローン(以下、FPV)である。

「大型ミサイルなどの既存の武器に対する防衛策はすでに確立されている。しかし、FPVの戦争利用は始まったばかりで、まだ対ドローン用の専用防空設備はない」

敵の固定翼攻撃無人機に対抗するためFPVドローンを操縦訓練中のロシア軍兵士(写真:Sputnik/共同通信イメージズ)

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 あるドローン部隊の指揮官はそう話した。既存の防空設備はコストに見合わない。FPVによる攻撃の進化は著しい。一方で、防御策はそれに追いついていない。

物理的対抗手段

 時速100キロ以上で進み、四方八方どこからでも飛んでくるFPV。前線の兵士はこれにどのように対処しているのだろうか。

 2024年、最初に聞いたFPVを撃ち落とす方法は「散弾銃」だった。FPVは小さくて速い。しかし、掠りでもすれば爆発するので、とにかく小さい弾丸でいいから当てなくてはならない、というわけだ。

 歩兵が持つ熱源追尾式の地対空ミサイル(MANPADSなど)を使えばいいのでは?と聞くと、「もちろん使えればいいが、コストに合わなすぎる」と言われた。

 大量生産可能な安価なドローンを対象に、既存の高コストの防空ミサイルを使用することは「経済的な敗北」を意味する。長期間かつ大規模な戦争では、継続可能な方法ではない。

 最近登場したものでは、ピストル型の銃からネットを発射しFPVを捕獲するような形で無効化するものもある。

 いずれにしても、最新ハイテク武器のFPVに、兵士は従来式の銃で対抗しているのだ。

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