[イスラマバード/ワシントン/テルアビブ 6日 ロイター] – イランは6日、戦闘終結に向けた米国の提案を精査していると明らかにした。情報筋によると、この提案は戦争を正式に終結させる一方、イランの核開発計画の停止やホルムズ海峡の再開という主要な問題は先送りする内容という。
イラン学生通信(ISNA)によると、イラン外務省報道官は米国の提案を精査しているとし、見解を仲介国パキスタンに伝えると述べた。
トランプ米大統領はイランが合意を望んでいるとし、「過去24時間に極めて良好な協議を行っており、合意に達する可能性は十分にある」と記者団に語った。
これに先立ち、トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)への投稿でイランへの攻撃再開を示唆、イランが米国の最新の提案に同意する可能性は「大きな仮定」だとしていた。
パキスタンの情報筋や仲介の状況について説明を受けた別の関係筋によると、米国とイランは戦闘を正式に終結させる1ページの覚書について合意に近づいている。これにより、ホルムズ海峡の航行再開、米国の対イラン制裁解除、イランの核開発計画の制限に向けた協議が開始されるという。
イランが先週提案した14項目の計画と今回の覚書がどう異なるのかは不明で、イランは米国の最新の提案にまだ回答していない。
イラン国会の外交・国家安全保障委員会の報道官を務めるエブラヒム・レザイ議員は覚書について「現実というより米国の希望リストに近い」と述べた。
ガリバフ国会議長もSNSに「『俺を信じろ作戦(Operation Trust Me Bro)』は失敗した」と英語で投稿。ホルムズ海峡の航行再開に失敗した米国による情報操作に過ぎないとした。
<原油価格が急落>
合意が近いとの報道を受け、原油価格は2週間ぶりの安値に急落した。北海ブレント先物は一時、約11%安の1バレル=98ドル前後まで下落。その後100ドルを上回る水準に戻した。
エネルギー供給を混乱させてきた戦争の終結期待から、世界各国の株価も上昇し、債券利回りは低下した。
写真はハメネイ師の肖像画。5月6日、テヘランで撮影。WANA (West Asia News Agency) 提供。REUTERS
トランプ氏は5日、イランとの合意に向けて「大きな進展」があったとして、ホルムズ海峡の船舶航行を支援する作戦「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると表明した。
2日前に開始した同作戦を巡る突然の方針転換について、NBCニュースは米当局者の話として、サウジアラビアが米軍による同作戦のための国内基地使用を停止したことが背景にあると報じた。
報道によると、サウジは米国がホルムズ海峡を通過する船舶を護衛するというトランプ氏の発表に驚きと怒りを示し、サウジ基地からの軍用機の離陸やサウジ領空通過を許可しないと米側に伝えた。トランプ氏がサウジのムハンマド皇太子と電話協議したものの、解決しなかったという。
ホワイトハウスはこの報道に関するコメント要請に返答していない。
米軍はイラン船に対する独自の封鎖を継続している。米中央軍は6日、イラン船籍のタンカーが米国の封鎖に従わずにイランの港湾に向かおうとしたため、数回の射撃を行い、オマーン湾で航行不能にしたと明らかにした。
<米の主要な要求に言及せず>
仲介について説明を受けた関係筋によると、米側の交渉はウィットコフ特使とトランプ氏の娘婿クシュナー氏が主導している。双方が予備的な合意に至れば、全面的な合意に向けた30日間の詳細な交渉が始まるという。
全面的な合意が成立すれば、ホルムズ海峡における米国とイランの封鎖は終了し、米国の対イラン制裁が解除され、イラン資産の凍結が解除される。また、イランの核開発計画に対する一定の制限も盛り込まれる見通しだ。
情報筋は覚書について、初期段階ではいずれの側にも譲歩を求めないものだとしたが、イランのミサイル計画への制限や中東の親イラン武装組織への支援停止など、米国が過去に提示しイランが拒否してきた幾つかの主要な要求には言及していない。
また、イランが保有する高濃縮ウランについても言及しなかった。
イスラエルのネタニヤフ首相は6日、イランによる核兵器開発を阻止するため、全ての高濃縮ウランをイランから撤去する必要があるとの立場でトランプ氏と合意したと述べた。
A map showing the inbound and outbound shipping lanes in the Strait of Hormuz, in addition to the the maritime boundary between Oman and Iran.
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