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伊東ご夫妻
4月15日、在トロント日本国総領事館公邸において、令和7年度外務大臣表彰を受賞した伊東義員トロント日本商工会専務理事への伝達式が行われた。伊東氏は2007年より同商工会専務理事およびトロント補習授業校常任運営委員を務め、日系企業の経済活動の発展に寄与するとともに、地域社会との相互理解と友好親善の促進に長年貢献してきた。

伊東義員氏
カナダにおいてはパイオニアカナダ株式会社で財務・経営企画を担い、NYKロジスティクスカナダ株式会社社長、トロント補習授業校高等部校長などを歴任。さらに2008年以降はカナダ日本語教育振興会理事も務めるなど、経済と教育の両面からコミュニティーを支えてきた歩みが、今回の受章につながったものである。
伊東氏は受章にあたり、謝意を述べるとともに、自身の活動の原点とこれまでの歩みについて語った。
「本日は、このような栄えある表彰を賜り、誠にありがとうございます。本件につきましては、商工会専務理事としての職務が評価されたものと受け止めておりますが、決して私個人の評価ではなく、商工会全体の活動に対する評価であると認識しております。

私が商工会に携わるようになってから、本年でちょうど20年目を迎えます。2006年の採用試験の際、当時の会長をはじめ理事の方々から「商工会で何を実現したいのか」と問われ、私は商工会が掲げる四つの活動目標に基づき、組織の健全化と活性化を図るとともに、会員およびコミュニティーに対して価値を提供していきたいと申し上げました。この考えは、現在に至るまで変わっておりません。
常に、会員やコミュニティーが求めているものは何か、商工会として提供できる価値は何かを考え続けてまいりました。企業の代表者が交代されるたびに各社を訪問し、現場を自分の目で見てお話を伺いながら、ビジネス上の課題や駐在員の生活上の困りごとを直接把握することに努めてきました。
そうした声の中で特に多かったのが、日本語による情報の不足でした。英語での情報は整っている一方で、駐在員のご家族が生活を立ち上げる上で、母語である日本語による正確な情報を求める声が多く寄せられました。これを受け、教育制度、医療制度、交通法規、治安などの生活情報を日本語で提供する取り組みを進めてまいりました。現地の教育関係者や医療関係者の協力を得て、日本語による解説セミナーを実施し、現在も継続しております。
また、オンタリオ州の教育ガイドを日本語に翻訳し公開することで、新たにカナダに来られる方々の生活立ち上げを支援してまいりました。さらに補習授業校の運営に関わる中で、日本語教育や継承語教育の重要性を認識し、日本語教育振興会にも関わるようになりました。
本日このような表彰をいただくことができましたのは、歴代の会長、理事の皆様、そして日々支えてくださったスタッフの方々、補習校の先生方をはじめとする関係者の皆様のご理解とご支援の賜物であり、心より感謝申し上げます。
今後も引き続き、商工会の発展とコミュニティーへの貢献に尽力してまいります。本日は誠にありがとうございました。」

松永総領事
松永総領事は、伊東氏の功績を称え、敬意を表する機会を得たことを大変喜ばしく思いますと述べ、同氏の長年にわたる貢献を次のように称えた。
「伊東様の商工会における会員企業へのビジネス支援として特筆すべきは、セミナー活動の充実です。従来から実施されてきた会計・労働・税制に関するセミナーに加え、2010年以降は新規駐在員家庭や新移民を対象に、トロント市警との交通法規セミナー、シックキッズ病院の日本人医師による医療制度セミナー、現地校校長による教育セミナーなどを開始されました。さらに近年は、医療・教育・治安・生活情報を包括的にまとめた定期セミナーを毎月開催し、会員外にも開かれた生活支援として広く情報提供を行っておられます。また、カナダ移民省のNewcomer Guideを日本語に翻訳し公開するなど、新規移住者の生活基盤の確立にも大きく寄与されました。

百澤智明氏(商工会会長・写真右)
補習授業校においても、独立採算を見据えた中長期的な運営体制の整備や、収支見通しに基づく教員配置の調整に尽力されました。さらに高等部校長不在の期間には校長を兼務され、学校運営の安定に大きく貢献されました。
また、雇用支援の分野では、2022年に日系企業就職情報フェアを開催し、情報交換の場を創出されました。加えて、若者団体と連携した座談会を定期的に開催し、駐在員と若い世代との交流促進にも取り組まれています。
商工会のネットワーキング活動においても、チャリティーゴルフや新年懇親会の開催を通じて会員間の結びつきを強化し、コロナ禍においてはオンライン形式を導入するなど柔軟に対応されました。さらに、シックキッズ病院への寄付や東日本大震災への支援、地域団体への継続的な寄付など、社会貢献活動にも大きく寄与されています。」

写真右から、松永総領事、伊東ご夫妻、百澤智明氏(商工会会長)
松永総領事はこのように述べ、現在療養中にありながらも職責を果たし続けている伊東様に深い敬意と感謝を表するとともに、一日も早い回復を祈念された。そして、本表彰の受章に改めて祝意を示しつつ、伊東様のこれまでの歩みが、トロントにおける日系コミュニティーの発展と日加関係の深化を支えてきたことの意義を強調した。