【5月4日 CNS】私たちの日常生活と深く関わるサービス業という分野に、このほど新たな戦略的意味合いが与えられた。

3月27日に開かれた国務院常務会議では、サービス業は現代的な産業体系の重要な構成部分であり、質の高い発展と現代化建設の全体に関わるものだと指摘された。現在の経済情勢の下で、なぜこれほどまでにサービス業の重要性が強調されるのか。

その答えは、「全体」という二文字にあるのかもしれない。一方で、サービス業は雇用を受け止める大きな受け皿であり、その安定は民生の最低ラインに関わる。他方で、生産性サービス業の高度化は、製造業の付加価値や競争力に直結し、産業チェーンをより高い段階へ引き上げるうえで重要な鍵となる。

データによると、2025年の中国のサービス業付加価値額は80兆8879億元(約1889兆479億円)で、前年比5.4%増だった。サービス業の国民経済成長への寄与率は61.4%に達し、前年より3.7ポイント上昇した。言い換えれば、サービス業の水準は、ある国や地域が現代的な産業体系の中でどれだけ発言力を持てるかを大きく左右すると言える。

注目すべきなのは、3月16日に開かれた国務院第11回全体会議でも、牽引力と波及効果の強い重点施策をしっかり進める必要があるとしたうえで、「サービス業の規模拡大と質の向上を積極的に計画・推進する」ことに言及していた点だ。

半月の間に、国務院が二度にわたりサービス業の発展について要請を出したことからも、サービス業が今の経済政策における重要な力点となっており、その戦略的位置づけが新たな高さに引き上げられていることが分かる。

こうした高い頻度での打ち出しは、サービス業が成長の安定化や構造調整において重要な役割を担っていることを示すだけでなく、次の段階ではマクロ政策がこの分野に重点的に力を入れていくことも意味している。

今回の会議で示された二つの発展方向は、今後のサービス業の骨格をはっきりと描き出している。一つは、生産性サービス業をより専門的にし、バリューチェーンの上流・高付加価値分野へと伸ばしていくことだ。これは、研究開発・設計、情報技術、現代物流、金融サービスといった、製造業を支え押し上げる分野が、低水準での過当競争から抜け出し、より専門的で、より精緻で、国際競争力の高い方向へ進む必要があることを示している。

もう一つは、生活関連サービス業を高品質で、多様かつ便利なものへと発展させることだ。これは、人びとのより良い暮らしへの期待に直接応えるものだ。教育、医療、介護、文化・観光、家事支援などに対する人々の需要は、すでに「あるかどうか」から「質が高いかどうか」へと移っている。「高品質」「多様化」「利便性」を組み合わせることで、より温かみがあり、より効率的な民生保障の仕組みを築こうとしている。

こうした目標の実現には、的確な政策支援が欠かせない。今回の会議では、いくつかの重要な力点も示された。まずは重点分野に狙いを定めることだ。波及効果の高い重点分野で先に突破口を開き、政策面の整備や制度の改善を通じて、発展を妨げているボトルネックを解消していく。たとえば一部地域で見られる「参入は認めるが営業は難しい」「監督基準が統一されていない」といった問題も、制度改革によって解決が進む可能性がある。

次に、支援を強めることだ。会議では、財政・税制、金融、要素保障などの面で支援を強化する方針が明確に示された。実際、関連政策はすでに前倒しで打ち出されている。今年1月には、財政部など4部門が連名で通知を出し、サービス業の事業者向け融資利子補給政策の実施期限を2026年12月31日まで延長した。また、財政部など6部門は、高齢者介護、乳幼児保育、家事支援など地域・家庭向けサービス業に対する税制優遇措置を2027年末まで延長することも明らかにした。

最後に、力を結集することだ。サービス業は関わる業種が幅広く、管理部門も多いため、統治が分散しやすい。今回の会議では、各方面の連携を強めることが特に強調され、多面的な総合評価指標を構築することも打ち出された。この表現には深い意味がある。今後、サービス業の発展を評価する際には、単なる経済成長率だけではなく、構造の最適化、イノベーション主導、社会的効果といった複数の側面を総合的に見るようになることを意味している。これにより、各方面の力がより科学的かつ主体的にサービス業の発展に向かうよう導いていく狙いがある。

今回の会議の打ち出しは、目先の成長安定化という現実的な必要性に立脚する一方で、長期的な構造転換という戦略的な視点にも立っている。各種施策が今後具体化していけば、サービス業は質の高い発展にさらに力強い原動力を注ぎ込むことになるだろう。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News

 

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