JBpress ナナメから聞く

【JBpressナナメから聞く】ロシアに詳しい、土田陽介氏・安木新一郎氏に聞く(後編)

詳しい内容はJBpressのYouTubeの公式チャンネル「INNOCHAN」でご覧ください。チャンネル登録もお願いします!

ウクライナ戦争の長期化に加え、イラン情勢の緊迫化によって国際秩序は大きく揺らいでいます。エネルギー価格の高騰や供給不安は各国の思惑を複雑に交錯させ、ロシアを取り巻く外交・経済環境も変化しつつあります。

 JBpressのYouTube番組「ナナメから聞く」の今回のゲストは、欧州・ユーラシア地域のマクロ経済分析を専門とし、「土田陽介のユーラシアモニター」を連載する三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の土田陽介氏と、ロシア経済・貨幣史、特に極東ロシアの現場に詳しく、「安木レポート」を連載する函館大学商学部教授・択捉島水産会理事の安木新一郎氏です。

 後編では、ロシアと欧州・中国・日本との関係の変化に加え、日本が取るべき対ロシア戦略について、JBpress編集長の細田孝宏が聞きました。

※YouTube番組「ナナメから聞く」の内容の一部を書き起こしたものです。詳しい内容は、JBpress公式YouTubeでご覧ください。(収録日:2026年4月25日)

欧州委員会のフォンデアライエン委員長はロシアに対する強硬姿勢を崩していない(写真:ロイター/アフロ)

欧州と広がる距離、中国依存のジレンマ

──ウクライナ侵攻から4年、ロシアと主要国の関係はどう変化していますか。

土田陽介・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員(以下、敬称略):ヨーロッパはロシアに対して厳しい姿勢を続けていますが、一部では揺り戻しも見られます。フランスのマクロン大統領が「このままでいいのか」といった発言をしているのもその表れです。

 その矢先に、イラン情勢の緊迫化によるエネルギーショックが生じました。ホルムズ海峡封鎖で欧州も多大な影響を受けており、ロシア産エネルギーをどう扱うかが改めて問われています。

 ただ、気になるのは欧州委員会のフォンデアライエン委員長です。一貫して対ロシア強硬姿勢を崩しておらず、欧州側から歩み寄る動きは簡単ではないでしょう。

──ロシアは中国との関係を強めようとしているのでは。

安木新一郎・函館大学商学部教授(以下、敬称略):ヨーロッパに売れなくなった分、中国に売りたいという思いはありますが、現実は単純ではありません。

 例えば、ロシアは石炭を鉄道で輸出したいのに、中国はコストの安い船輸送を求めています。しかし、ロシアには港が十分ではありません。

 また、サハリンの資源も中国が主な買い手ですが、ロシアは中国一国への依存を避け、日本にも売ろうとしています。中国依存自体がリスクとなるためです。

土田:エネルギー安全保障は需要側だけでなく、供給側も分散が必要です。ロシアにとっても中国依存はリスクです。中国はイラン産とロシア産を価格で比較して買っており、あくまで経済合理性で動いています。

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